昨年暮れから報道が続いていた三菱UFJ銀行の貸金庫を巡る詐取事件で、元行員が容疑者として逮捕されました。
遂にと言うか、ようやくと言うべきか、とにかく頭取まで謝罪の記者会見に臨んだ事件の全容が関連報道によって徐々に明らかになって来ました。
被害者の数は70件余、被害額は十数億円に及ぶと言います。
うち既に7億円相当の銀行による補償が行われたようですが、中には「家宝としていた大粒のダイヤモンドが…友人の査定では1億円の価値も…」などとインタビューに答える被害者の姿がTVで映し出される等、まだまだ全額補償完了とは行かないようです。
そもそも貸金庫の中身は利用者しか知らないので、「金庫の中に〇〇があった」事を疎明するのは結構難しい事だと思いますし、全面補償完了にはまだ時間も掛かるでしょうね。
同行は、言わずと知れた国内トップバンクで1兆円を超える利益を叩き出すMUFGグループの主要企業ですから、補償金額が10数億円であってもビクともしませんが、「銀行の貸金庫は安全」と思われていた貸金庫(銀行)神話が崩れてしまった痛手は大きいと思います。
いゃそれよりか、同行と言わず、同じく貸金庫業務を営む銀行業界全体に与えたマイナスのインパクトの方が大きいかな…
利用者は疑心暗鬼に駆られ「自分が貸金庫に預けたモノは大丈夫かな?近いうちに確認しておかないと…」と思うのが人情だと思いますから。
当局の検(監)査目線も当然厳しくなる筈です。
事件の発覚を受けて、一部の銀行では自行貸金庫の一斉点検に乗り出したとも聞きます。
もしかしたら「貸金庫は安全」「秘密は保持」という前提(神話)が崩れて、これからは貸金庫に納めておく「ブツ」を事前に申告する制度とかでき兼ねません。
貸金庫を提供する銀行側と利用する顧客の「妙味」が減るのかも…
闇バイトで頻発する強盗事件から財産を守る手段として「貸金庫」は有効な防衛策の一つだと思いますが、とんだ事件が発生したものですね。
これも銀行業界の「信用」を揺るがしかねない大事件となってしまいそうです。
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