昨年最後の投稿で「1年を振り返ってみると、今年は”廃業”に関わる事案が多かった印象です」と綴りましたが、年始挨拶で今週からスタートする中、ある取引先の社長さんから「村上さん、倒産と廃業の違いって何だろう?」と質問されました。
「倒産には裁判所を通じて法的に整理するものと、手形不渡り等”倒産概念にある事象”によるものとあると思いますが、どちらにしても事業が上手く行かず、資金繰りが回らない等おカネの問題で追い込まれた結果のイメージがありますよね」
「対して廃業ですが、事業から撤退する事は倒産と一緒ですが、こちらは経営者の高齢化・後継者不在や事業の将来性に問題があって自ら事業から撤退するというイメージです。どちらかというと世間的には廃業の方が、事業から撤退するにしても”柔らかなイメージ”があるんじゃないでしょうか」と私。
事務所に戻ってネットで検索してみると…某サイトでは(生成AIクンの模範解答でしょうけど)下記のような解説が載っています。
・倒産とは → 債務超過や業績不振等により経営活動の維持が難しくなり、やむを得ず経営を断念する事、だそうです。
・廃業とは → 法人や個人事業主が自らの判断で事業をやめる事、だそうです。
廃業理由には、後継者難や経営資源の選択と集中の結果等、様々な理由が考えられるようですが、倒産と比べて債務弁済可能性が格段に高い事から、世間的には「倒産」より「廃業」の方が、同じ事業を辞(止)めるにしても「聞こえが良い」という解説までついています(>_<)
今、中小企業・事業者の廃業支援が私達の業界でも注目度急上昇中です。
いわゆる「ゾンビ企業」と呼ばれる事業者を市場から撤退(軟着陸)させ、自由競争に基づく正常・正当な市場価格形成が促進されるようにと、政府が本気で取り組んでいます。
通常、経営者たるもの「借りたカネは何としてでも弁済する、他人に迷惑はかけない」強い覚悟を持って経営していますし、基盤となる事業に対する愛着は第三者が想像する以上のモノがあります。
中には愛着が執着となって、金融機関等の第三者から観ると「事業を継続する事で被害(債務)をこれ以上拡大させるより、そろそろ事業からの撤退を検討すべき」事業であって廃業を勧められても「絶対に辞めない」という経営者も多くいらっしゃるのが現実です。
私の主観では半数以上の経営者が、上記のような覚悟で経営されているイメージがあります。
当局や金融機関が思い描いているような「理想的な市場の形成」には、まだまだクリアすべきハードルが続いている印象です。
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