お早うございます。
10月24日、東京地方裁判所から「破産開始決定」を受けた船井電機に関して、その破産(廃業=清算)を取り消し、再生型の「民事再生」法適用を目指すべく、同社の現職会長が「破産開始手続き」の取り消し決定を同地裁に求めている事が話題になっています。
裁判所に対して同社の「破産手続き」を求めたのが、同社の現役取締役である事が分かっていますが、同じ経営陣を構成している一方の当事者である現職会長が「(破産開始決定を)寝耳に水」であったと、その取り消しに動くといった不自然さが、世間の耳目を集めているのです。
いったいどうしてこんな事態になってしまったのか…
昭和の終わりから平成に掛けて、1980年代~2000年頃、船井電機はTVの「OEMメーカー」として一世を風靡しました。
無論「FUNAI」ブランドの安価なTVも相当数売れたのですが、ハイブランドを持つ他メーカーや海外メーカーへの製品提供により、船井電機は中堅ながら上場企業でもありましたし「知る人ぞ知る」優良企業の位置を占めている、そんな会社であったと思います。
その船井電機ですが、出版社の秀和システムに買収されてから上場廃止を志向、オーナー家に代わる経営者を外部から招聘した辺りから、経営がおかしくなって行ったようだとの憶測記事が出ています。
新経営陣による資金の社外流出や赤字計上により、秀和買収前にあった300億円に上る現預金が、破産申立時には2億円しかなかったそうです。
不明朗な資金の支出や使途が、破産事件開始によって管財人の手に渡り、少しずつ解明されて行くと思っていたら、「いやいや清算では無くて再生したいので、破産は取り消して下さい」という申請が出て来たり…
いずれにしても企業統治(ガバナンス)は大事ですよね。
経営陣がバラバラで「船頭多くして船山に上る」では、とばっちりを受けるのは常に弱者です。
今回の破綻劇で職を失った従業員は550人に及ぶと言いますし、取引先特に同社へ材料等を納品していた(下請け)業者にとっては「青天の霹靂」であったものと思われます。
経営陣の交代は事業承継時やM&A実施時と様々ですが、殆どのケースでは、弱者である社員や取引業者は「空中戦」をただ眺めているだけしかできません。
当事者であるにも関わらず…です。
その辺りに目配せが効く取引であったり、売買・譲渡の当事者であれば問題無いのですが…
言うは易く行うは難し、ですね(>_<)
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