半年以上前の話を蒸し返すようで恐縮ですが、金融庁のワーキンググループが出した「100歳まで生きるとしたら…」前提の老後資金2,000万円問題。
麻生財務・金融大臣が報告書の受け取りを拒否したり、国会で「不要な誤解を国民に与えた」と金融庁のお役人が陳謝したり、参議院選挙の争点にしたかった野党は躍起になって与党を攻め立てたりと、プレーヤーが入り乱れ、ついぞ決着が着かず、うやむやになってしまった印象です。
私なんぞは、一国の大臣が一官庁の報告書の受け取りをわざわざ拒否するなんて「大人げない話」だとしか思えないのですが、政治に絡む人達は「政争」、特に国政選挙の「争点」になり兼ねない問題には、そうとう神経を使っていたのでしょう。
かつて「消えた年金問題」で政権与党が参議院選挙に敗れたのが、ちょうど12年前の事でした。
「悪夢ふたたび…」とならないよう“予防線”を張っての「受け取り拒否」なんでしょうが、何とも姑息な手段に見えちゃいましたよね、これが。
平均寿命が延び、働けなくなった後の人生設計も大切になった現代、「長生きのリスク」と老後家計破綻に警鐘を鳴らす書籍・情報もチラホラ…
ホントのところはどうなんでしょうか??
今年57歳になり、65歳まで10年も無い私にとっても、老後資金が幾ら必要なのかは、とっても気になるところ…
ワーキンググループが想定した夫婦二人の生涯賃金や年金水準が高すぎるのでは?と言う声もある一方、「人はいつまで生き続けるのか分からない」と言う当たり前に思っていた事が「リスク」として老後の自分たちの身に降りかかる現実…
古き良き昭和の時代より以前は、家族がリタイアした老人(祖父母や父母)を丸抱えして面倒を見たものですが、核家族化が進み、親子同居が珍しいこの時代、我が子に老後の生活を見て貰おうと言う親は少数派だと思います。
つまり、麻生大臣が何と言おうと、自民党が如何に伏せようとも、長生きしようとしたらおカネが要るので、それは自己責任で用意できた人だけが「良いおじいちゃん、おばあちゃん」になれると言う現実は、どうにも隠しようがないのだと思います。
現実に目を背け、票が集まるパフォーマンスには時間も費用も(納税者のおカネですけどね)掛ける政治家は、将来に禍根を残さないためには改革改善が必要で、それには納税者・受益者の「痛み」が必要な事をきちんと説明して理解を得るべきなのに…
隠そうとすればするほど、将来への不安が高まり、社会が不安定になったり消費が停滞したり、碌なことにはならない、そう思うのは私だけでしょうか、ねぇ。
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