リスケの出口が上手く見いだせず、『元金優先弁済』への切り替えについて、銀行・事業者様・小職で話し合う事があります。
その際に …
銀行の担当者の方は、なかなか事業者様想いで、説明も丁寧。 小職は、銀行勤務経験がある事から話の内容を理解する事は容易なのですが、社長様は 『元金優先弁済』への切り替えの意味が、なかなか理解しずらい様子。
実務上、何が起きるかというと…
① 毎月 元金 1万円、利息2万円の合計 3万円を銀行に払っていたとすると、『元金優先弁済』に切り替える事により、元金のみに3万円を支払い、利息の支払いは後回しにするという事です。
② 利息の支払いが後回しになるという事は、事実上、利息の支払に延滞が生じている状態になります。
③ 利息の支払に延滞が生じると、金融機関は不良債権の処理をしなければならず、債権の売却(バルク)を債権買取会社であるサービサーに行う事が多くなります。 切り替え後、どの程度の期間で債権の売却に移行するのは、金融機関毎に、結構なバラツキがあると感じており、一概には言えないと思います。
④ サービサーに債権を売却されると、他の金融機関取引等や、社会的信用の低下につながる事もあり、積極的に善後策を検討すべきと考えます。
簡単に、事業者側に起きる事をまとめると上記のようになります。
決して、悪い事ばかりとは言えないのですが、その対応を如何にするかが大切である事は間違いありません。
『 費用 → 利息 → 元本 』の順に弁済を受けるといった民法の定めとは異なる扱いなので、『元金優先弁済(充当)』や『利息の棚上げ』といった言葉が出た場合には、よく債権者にその意図を確認する必要があります。 また、 弊社のような事業再生系のコンサルに相談するも一つの手であると思います 😯
ちなみに …
プロレス風に解説をさせていただくとすれば、『タッグマッチ』の試合で、タッチを行った瞬間のようなものです。 試合(銀行取引)の流れが大きく変わる可能性があり、そのタッチにより流れが『悪くなる事』も『良くなる事』もあります。
劇的に状況が良くなる場合もありますので、『状況をよく理解し、前向きに対応策を検討する事』が何よりかと思います 😎
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