事業再生の現場から

再生業務に向き合う金融業界の人材不足問題

お早うございます。

本日は宇都宮に居て、これから午前中と午後、オンラインミーティングを2件ほど予定しています。

遠隔地取引先との意思疎通が現地に行かなくても「手軽」にできるようになった事、とても有り難いです。

コロナ禍を機に「テレワーク」や「オンライン会議」が多くの事業所で導入されましたが、弊社・私にとっては「時間と距離」問題が一気に片付く(ハンデキャップが無くなる)これらの手段・手法の一般化は、正に勿怪(もっけ)の幸いと言っても良い僥倖でした。

 

さて本題です。

先日、都内某金融機関幹部の方とお話をする機会がありました。

この金融機関は、東京都内を地盤とする中小の金融機関です。

都心部から23区外にも店舗網を揃え、手堅い経営をされる事で業界内では有名な会社でもあります。

が聞いた話では「最近のカテゴリー別融資では不動産業界向けの取扱量が50%を超えている」と仰っていました。

なるほどサスガに都心部を地盤にする金融機関です。

不動産価格の値上がりで「ほぼ貸倒無く回収できるので、今では一番安心できる融資になっている…」と自嘲気味に、現状を教えてくださいました。

自嘲気味と云うのは仰っている幹部の方自身が「本来、こうあってはいけない方向に進んでいる…」と仰っていたからです。

「組織自身が目先の収益優先で、ノルマ達成を第一に基本事項を抑える事を後回しに…」等のお話を伺うと、いずこも同じ秋の夕暮れ…と言いますか、どこかでも同じような光景があったなと思わざるを得ません。

中小金融機関なので、古いお客様との付き合い方としては信用保証協会の付保融資や代表者自宅や事業所の不動産を抵当に入れて貰っての事業性融資を基本にしていると言いますが、問題は、最近の若手担当者が「業績不振で取引先が返済に窮しても、支払変更(リスケ)等の相談に与る事なく、結果”知らぬ間に倒産”という結果が各支店で頻発している事、そしてその事を何とも思わず、100%回収できたからそれでOK」との考えが組織全体に蔓延している事と仰っていました。

「しかも金融マンを10年も20年もやっている割に財務の知識レベルが低い」と自戒を込めて仰います。

「保証協会代弁や不動産担保処分で100%回収できても、問題は保全100%の優良資産が廃業・倒産によって完済してしまうことですね…。取引先毎のケアを続ければ、少なくとも資産がいきなりゼロになる事は無いですし、場合によっては金融支援で資金繰りを維持している間の企業努力(経営改善)で、正常先に戻せる可能性もありますが、その前に経営者が諦めてしまえばジ・エンドですものね」と私。

「そうなんですよ。その辺りを私が担当理事や部長を掴まえて提議しても”暖簾に腕押し”で…」

なるほど…それぞれ事情はありますよね(>_<)

長くなってしまうので。続きは次回に…

 

 



コメント

※コメントは承認制となっております。承認されるまで表示されませんのでご了承ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です