事業再生の現場から

ホンダと日産の経営統合

国内自動車メーカーでトヨタは別格としても、ホンダと日産は国民の誰もが知るビックブランドです。

その二社に三菱自動車を加えた三社が連合というか「経営統合」間近との発表がありました。

電気自動車への投資を進めた結果、北米を中心とする世界市場で競争力を減退させて来た日産が、ホンダに救済を求めたというのがホントの処ではないかとの解説も出ています。

正式には来年1月末の統合という結論を目指して、取り敢えずホンダと日産が、続いて三菱自工もグループ入りするか、今後緊密な協議を続けて行くという事です。

 

世界的に見ると、販売台数トップのトヨタ・グループ(マツダ・スバル他含む)に次いでフォルクスワーゲン・グループがあり、それに次いで第三位の販売台数を有する自動車メーカーグループとなるようです。

AI活用による自動運転技術や固形燃料電池の開発、はたまた空飛ぶクルマや環境技術開発への投資等々、自動車メーカーには研究投資資金が幾らあっても足りないくらいでしょう。

トヨタやホンダが持つハイブリッド技術を持たない日産の凋落は目を覆わんばかりで、株価も他社の後塵を拝す事態が続いてます。

この経営統合、両社が出資金を出し合って持ち株会社を設立、各社はその持ち株会社の下にぶら下がって「ホンダ」「ニッサン」ブランドを維持するようですが、持ち株会社の代表や執行部はホンダ中心となる事が発表されましたから、ホンダが中心となって新グループの舵取りを担って行くようです。

 

自動車産業(メーカー)では、ピラミッド型の生産体制が構築されています。

トヨタやホンダといったトップ企業は最終工程の組立(アッセンブリ)を担当しますが、その下では数多くの部品工場が、整然とその供給体制を支えている形です。

トップメーカーの下に一次下請(Teir1=ティアワン)が居て、またその下にTeir2と呼ばれる二次下請企業があり、更にその下に…とドンドン底部に降りて行く事ができます。

ホンダも日産も、それこそ三菱自工も、それぞれの生産体制を構築しているので、このピラミッドをそれぞれ構成している企業群があるのです。

メーカーの経営統合により、その行方を一番心配しているのは、このピラミッドを構成している下請企業の経営者であると思います。

生産性向上を目指して現場レベルでのリストラや統廃合の暴風雨が吹き荒れるかも知れません(>_<)

 

 



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