事業再生の現場から

借入金の金利が遂に引き上げ…

お早うございます。

多くの銀行が、今月2日に短期プライムレートを引き上げた事で、短プラ連動型で借入している「変動金利型」借入金の引き上げが遂に実施されました。

ご丁寧な事に「金利引き上げ後の返済予定表」が、各行から郵送されて来ています。

あまり嬉しい「お知らせ」では無いですね、企業(借入人)にとって支出増になりますから(>_<)

同時に預金金利も引き上げる、との報道もありますが、こちらはそもそも「10倍に!!」とか言って預金者の心をくすぐっても、そもそもが「0.0××%」のレベルですから、金融機関にとっては大したコスト増とは言えないでしょう。

今回の短プラ引き上げ幅は「0.150%」を適用した銀行が多かったようです。

1兆円の短プラ連動融資残を保有している銀行は、黙って15億円の金利収入増となります。

10兆円の残高を有している処は、その10倍ですから150億円の増収…

しかも、金利の引き上げは今回が初めてであって「最後」ではありません。

寧ろ日銀は、景気動向を見ながら慎重に見極めつつ、更なる金利引き上げの時期を探っていると言って良いと思います。

 

今までがあまりに「低金利」と云うか、流動性過剰状態の社会でしたから、「資金調達(借入金)にはコストが伴う」という普通の感覚が麻痺してしまった感がありますが、預金を資金需要のある事業者に貸し出して「差益(利鞘)」を凌ぎとする銀行業の歴史は、紀元前にまで遡れるのだそうです。

とにかく、金利引き上げによって金融業界の「資金利鞘(リザヤ)」は拡大する方向が明確に見え始めました。

昨日は米国半導体株の下落に東京株式市場もツレ安となり、銀行株も大きな下げとなりましたが、PBR(株価純資産倍率)が1.0倍割している多くの銀行株には、まだ割安感があると思われます。

銀行業界にとって金利高は今のところ良いニュースですが、借入金を抱える事業会社にとっては、とんだとばっちりです。

適正利息は仕方無いですが、今後も金利の引き上げが続くとなると、大量の債務を背負っている企業の負担が急増しますから。

余裕のできた銀行が、また違う形での取引支援策でも考え始めてくれると良いのですが…



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