事業再生の現場から

膠着した案件…問題解決のカギとなるのは

お早うございます。

台風一過とは行きませんが、心配された台風10号は熱帯低気圧まで勢力を弱めたとの事で、久し振りに宇都宮でも晴れ間が見えてきました。

ただ南国の海から湿った空気を呼び込む力はまだまだ健在という事らしく、今日は北陸・東北に強い雨を降らせるのではないか?と、まだまだ心配は続きますね。

 

先週は金融機関にとって実質月末週で、金融機関で働く皆さんにとっては、25日の給料日~月末まで、窓口業務や融資案件の決済・実行処理等忙しい日々を送られた事だと思います。

そんな忙しいだろうなと思われる週末(8/30㈮)に、忙しい中時間を取って貰い、私は取引先T社社長とメイン行の応接室で担当者・その上職者を交え、資金繰り支援の方法について話し合いをして来ました。

T社は弊社の取引先である事から推察していただけると思いますが、財務的には問題点が多く、メイン行としては「信用保証協会の保証が着かない状態での新規融資には応じない」という姿勢を固持しています。

T社としては、保証協会から「メイン行のプロパー融資500万円、保証付500万円で銀行がOKしてくれるなら審査の俎上に乗りますよ」と以前助言をいただいていましたので、何とか少額でも良いからメイン行のプロパー融資実現に向けて理解を得られたい想いでいます。

 

財務上の問題点というのは、業績不振を原因とした「連続赤字」と「債務超過」、それにT社長自身に対する多額の「貸付金」の問題です。

業種的に(T社は専門建設業者)発注先との親密な関係を維持するため「接待交際費」は必要不可欠な費用であるし、取引先関係の「お付き合い」で税理士が経費と認めない費用は「役員貸付金」として長年処理されて来ました。

それらを殊更メイン行が問題として指摘して来るようになったのには、当局から「意味の無いゾンビ企業の救済はNG」とのお達しが背景にある事は間違いないと思います。

貸出金利も今後上がりますから、銀行の体力は増大するので「貸倒引当金」を積み上げる力も上昇します。
取引先の倒産・廃業に伴う処理費用増加にも耐えられる銀行が増えて来る事で、そうなると彼らは、前向きに「不良取引先」を整理して行こうとする筈です。

財務的に問題があったり、具体的に「改善して行く計画」の無い取引先の選別が始まると思います(と云うか、既にそういった動きが散見されていますから)。

 

さて、T社の事案ですが、先週の段階では「膠着状態」に陥ってしまっています。

まだ資金繰りのDデイは先なのですが、この状況を打破する必要があり…

そのカギは何処にあるのか? さてさて…

 



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