事業再生の現場から

貸出金利引き上げの足音が…③

お早うございます。

最近トレンドになっている感のある金融機関による貸出金利引き上げに関する事例が、また昨日も発生しました(>_<)

取引先C社の第一四半期業績の説明に、C社長に随行して同社のメインK行を訪問して来たのですが、業績と資金繰り結果・見通しについて説明が終わった途端「ちょっと良いですか?私の方から金利引き上げについて説明します」と、担当者が口火を切って来ました。

「来月16日に期日を迎える手形貸付ですが、当行短期金利が0.15%上がるので、貴社への適用金利も0.15%引き上げる事になります」

「金利引き上げによって金利負担も増えますから、幾分か内入弁済を進める事で借入残高を減らし金利負担を軽くする事も必要かと思いますので、ご検討すべきかと…」と担当者

 

沈黙するC社長を横目に、私が反撃します。

「ちょっと待ってください。まず貴行の短期プライムレートはいつから上がるんですか?(9/2から0.150%引き上げになるとの回答) なるほど、それでは短プラ連動型の”変動金利型”で契約している借入金利は約定ですから、0.150%上がりますよね、これは了解しました。他行さんでも同じような動きが活発化していますし、事情も分かります」

「でも変動金利型で無い貸出に関する適用金利や変動幅に関しては、これは”交渉事”なんではないですか? 先ほどの言い方だと、”交渉”では無く”一方的な通告”に聞こえますよ。Nさん(担当者)はK行を代表してC社代表と金利引き上げについて”交渉”するよう、上から指示されたのでは無いですか?」

「諸般の事情を考えるとこのくらいの引き上げは止む無しと思いますが(N氏、C社長に向け)、一方的に”金利引き上げを断行する”という対応なら、こちらも借り入れている融資を他行に肩代わりして貰ってでも、貴行との取引そのものを見直さざるを得なくなりますが、それでも良いんですか?」

「実効金利という概念をNさん知ってる?(知っていますとN氏と云うが、具体的な実効金利の提示無) 表面金利は2%弱であっても流動性預金の平残も高止まりしているから、実効金利は7~8%くらいあると思うよ。そうすると、K行さんはC社取引で月間100万円近くの収益を挙げていると思うんだけどね」

最後は半分脅しに近いフレーズになってしまいましたが…実話なので(笑)

 

そうしたら、昨日の夕方N氏からC社に連絡が来たそうです。

「半分(0.075%)でお願いします」だそうです。

いちおうC社長も納得されたので、今回はこの水準となりそうです。

ただ「生兵法は怪我の基」ですので、この例を安易に模倣する事なく、よくよく考えて対処する事をお薦めします_(._.)_

それぞれ個別取引によって「事情」や「背景」が違いますので…

場合によっては、返す刀で「バッサリ」やられるケースさえあります。

慎重に…慎重に…



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