事業再生の現場から

「価格決定権」有無の差が大きい…

先週末に調整(下落)した株価の戻りが、昨日今日と続いています。

台湾半導体ファウンドリメーカーTSMCが、半導体需要の先行きを「ネガティブ」に位置付けた事で、株式市場では半導体関連株が一斉に売られる流れになっていますが、半導体関連から引き揚げられた資金が他セクター、特に出遅れ感のある低位株等に回っている動きもあるようで、「一気に上昇相場が崩れた=総悲観」とはならないようです。

少し安心しました(*‘∀‘)

 

年明け以降、将来の経済動向を先取りすると言われている株価が比較的順調に推移する中、実経済ではコロナ資金の返済開始も相俟って、資金繰り破綻する中小企業が頻発しています。

印象としては「建設業」や「運送業」を営む会社が多く、次いで「飲食関連事業」を営む零細事業者・中小企業にも、倒産・廃業が目立ちます。

「ゾンビ企業の一掃…」と割り切るには、あまりに過酷な現実を目にし耳にする事が最近増えて来ています。

飲食業界は小資本・許認可取得が比較的簡易である等、いわゆる「参入障壁」が低く、従来から様々な異業種からの参入チャレンジが多い反面、競争が激しく、開店・撤退のサイクルが極端に短い等の特徴があるので、特段驚く事は無いのですが…

 

一方、昨今経営破綻ニュースを目にする事が多い、建設業や運送業は許認可要件が比較的厳格であり、参入障壁は高く、なかなか簡単には市場に参入できません。

その一方で、建設業・運送業は、業態として施主・荷主から業務を受注するうえで「下請け」契約の当事者になる事が多いという特徴があります。

下請けですから、基本的に「請負金額」を契約(受注)する際に、自社に価格決定権はありません。

「この価格(単価)でできないなら良いよ、他所へ回すから…」と元請会社に言われようモノなら、”喉から手が出るほど欲しい仕事”が一瞬で逃げて行きます。

いゃ実際にはそんな簡単に下請け先を代える事が簡単にできる筈無いのですが、「できないなら、良いよ」この一言が聴きたくないばかりに、下請業者は、儲からない仕事と分かっていても、現場で汗を流すのです(>_<)

何とかならんのかなぁ…

価格決定権を持つ・持たないは、やっぱり大きいよなぁ。

そんな訳で、少しでも上流で仕事を請け負うべく、今日も営業活動に汗をかく某社長とのミーティングで、対元請先との価格交渉準備に漏れが無いことを確認しつつ、妄想する私でした。



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