昨日の続き…
経営に直接責任を持つことの無い従業員(社員)に、決算情報等会社の財務情報を開示する事には「メリット」「デメリット」があり、そこには「リスク」も存在する事から、経営者の間でも「賛否」双方の考え方があります。
「メリット」には、星野代表が考えたであろう「危機意識の労使共有化」「働く者の意識改革」等があり、意識が変わる事で行動が変わり、業績改善へのスピード感が向上する等の期待があると思います。
反対に「デメリット」には、勤務先の“本当の姿”を知ってしまった事で、「労働意欲の減退」等社員の意識がマイナスに働いてしまったりする懸念とか、財務情報が「風評」として社外に流布されたりするとか「リスク」に直結する事態を心配する経営者も多いでしょう。
社員に財務情報を開示する事で、反って従業員の不安を助長する結果となる事を恐れ「社員に会社の決算書を見せるなんてとんでもない!!」と、断固情報開示を拒む社長さんの多いのが、現実かと思います。
分かっていても難しいと言う、社員に対する財務情報の開示ですが、事業再生コンサルタントという立場から言わせていただければ、これは社長さんのこだわりがあったとしても「開示」に踏み切るべき決断であろうと思います。
多くの事例では「財務情報」「銀行等債権者との関係」等の会社のトップシークレット情報を社員に開示(やり方・方法は様々)した方が、再生・再建への確率が上がり、更に成功までの時間が短く済んだという経験があるからです。
特に中小・零細企業においては、「経営改善」に向けての従業員の協力は不可欠です。
事業形態が小規模なので、従業員一人当たりに係る比重が大企業のそれと比較できないほど大きく、社員の行動変化が「業績復活」の切り札となった事例は枚挙に暇がないほどです。
経営者の覚悟(情報開示&協力要請)→従業員の意識の変化→行動の変化→企業業績の改善→従業員処遇の改善→優秀な人材の獲得
こんな人材サイクルが回るようになれば「鬼に金棒」ですよね。
今回の星野リゾートを巡る報道を「他山の石」として、考えてみるのは如何でしょうか。
財務情報等の開示はその方法や範囲等やり方は様々ありますから、自社に合致した(するであろう)方法を見つけるのも、なかなか面白い仕事かも知れません(*’▽’)
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