事業再生の現場から

不動産投資にハマった結果…③

前回からの続き…

「売りたくても売りたいときに売れない”不動産”の怖さ」を知ったDセンセイは、「借金をして不動産を買い進める事のリスク」を多くの人に気づいて欲しいと願っていると言います。

Dセンセイが背負う借入金は10億円超、それに対する所有不動産評価額は5億円(今はもっと下がっているかも…)だとしても、その評価は「売れれば…」という仮の話です。

ここが不動産投資の怖いところだと私も思っています。

 

不動産市況が堅い時期で「値上がり確実と思われる不動産」は、誰もが欲しがる投資対象ではあります。

ですが、不動産の価値を決めるのは「需要と供給」と言う気まぐれな「市場=風」です。

その風は、社会の変化(景気動向・政策・気候etc)によって「東西南北・上下」あらゆる方向へ、或いはあらゆる方向から吹いて来ます。しかも風の強弱も様々…。

不動産投資の是非を検討するうえで、投資物件の未来価値や家賃等の将来収益は「不確実」なのに対して、購入資金を借入金で賄うとなると、将来的に返済するスケジュールは、ほぼ「確定」です。

将来返済額は変動金利を適用された場合「不確定」要素は残りますが、それとて「債務者・投資家」にとって不利な未来なので、諸々考えると「不動産投資」に借入金を調達して参入する時には、よくよく慎重に考えた方が良いと言う事になろうかと思います。

 

目下のDセンセイは「物件処分を急いでください!」と迫る銀行筋と攻防中だそうです。

既に所有資産を今日現在で清算すると「5億円も足りない」のは事実ですし、最終的には「法的整理」も仕方ないと仰るDセンセイですが、とにかく明るい!(^^)!

PC画面(オンライン相談ですから)の向こうから関西弁で語る明るいお顔を拝見すると、私の方が元気を頂戴したような気になります。

「誰が悪いという事もなく、不動産投資にハマって人生設計が少し狂ってしまった私が言いたいのは、不動産投資を決める時に、私のような素人にでも簡単に物件を売却してしまう業者と簡単に融資をする銀行、そしてそれを悪だと思わず、何の対策(規制)も講じない政治に責任は無いのだろうか?という事」

「今までも何千・何万人もの人たちが同じ轍を踏んでいるのは、人間の欲もあるけど、他人の失敗事例を研究するという訓練に私たちは慣れていないと言う事」

 

Dセンセイからの教示、皆さんも共有していただければ…

投資、特に不動産への投資は、慎重に考えるべきと。

生活様式・職場様式の変化、海外との交易機会減少等のマイナス要因が多く、不動産市況は(需給関係の悪化で)これから下落トレンドに入るのだろうと思っています。

想定家賃を据え置けば本体価格が下がりますから、表面(想定)利回りは上昇・割安な物件がたくさん売りに出されるとも思います。

その時には、よくDセンセイからの教訓を思い出していただければと、センセイの思いを忖度しながら思うのです。

 

 

 



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