先週の事ですが、100年以上の歴史を持つ名門アパレル企業・レナウンが東京地方裁判所に民事再生法の適用申請を申し立て、経営破綻した事が報道されました。
1902年の創業ですから、正確には118年目の出来事です。
1902年って言ったら「日露戦争」前の「日英同盟」の年じゃないですか? エライ古い創業です(^^;
新型コロナウィスルによる売上不振が「止めを刺した」と報道されましたが、同社の業績不振を知る業界関係者からは「コロナ倒産では無くて長年の業績不振のツケ」とのコメントも上がっています。
1962年生まれの私にとっては「レーナウーン娘がワンサカ・ワンサカ…」と連呼するテレビCMでお馴染みのレナウン。
多くのブランドを傘下に抱え、最盛期の売上3,000億円を誇る「アパレルの雄」的存在として捉えていました。
そうバブル期までは…です。
アパレル業界では「SPA」と呼ばれる「製造から小売まで自社で完結するビジネスモデル」が、近年持て囃されて(例えばあの有名なユニクロがそうです)来ました。
顧客の嗜好変化を自社店舗でマーケティングしながら適時適切に捉え、高品質の製品を海外の生産拠点でローコストで作り上げる。
このビジネスモデルで大躍進を遂げたユニクロの売上は、なんと 2兆円超もあります。
そして営業利益は、これも 2,000億円超。
規模は違いますが、トヨタ自動車の売上高 20兆円超、営業利益 2兆円超のちょうど1/10規模の業績を誇っています。
アパレルの名門・レナウンは、高級海外ブランドに売上が偏重した結果、家賃人件費の高い場所での対面販売に固執せざるを得ず、長年業績不振が続き、株価は二桁が当たり前という苦しい経営を続けていました。
10年前の2010年には、中国本土の繊維企業からの出資を得て「外資系企業」へと変貌する事になりましたが、私達の世代にとって「レナウン」は、古き良き時代(高度成長期)を象徴する企業なのです。
民事再生という事で、直ちに「清算」するものでは無いのでしょう。
スポンサーを探して「既存債務のカット」を債権者にお願いしつつ、事業再生を目指す動きになるのだと思います。
新型コロナウィルスの経済に与える影響がこれから本格化して来るという、こんな時期に「再生」のスポンサー探しと言うのはツライ話だとは思いますが、なんとか「事業再生」が上手く行って欲しいものだと思います。
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