事業再生の現場から

ザ・再生の現場から③

昨日の続き…3日目

私が標題タイトルを付け、3日間という時間を掛けてA社の事例を記事として書き綴っているのは、私の主張・考えを理解・賛同していただきたいからではありません。

他者(特に今回は利害関係が真逆になる金融機関側)から見たら、そりゃぁB行の立場も分かるし行動の動機も「有り」じゃない、という意見はあると思いますから。

何より私が仮にB行関係者であったら、A社長が納得して返済(経理担当者に指示して返済用の小切手を同行に持参させている)しているんだから、外野がガタガタ言う話ではない、と突っぱね兼ねないから(笑)

 

私がこの記事を読んだ皆さんに知っていただきたいのは、コロナ禍で中小事業者の明日が危ぶまれる中、廃業倒産や雇止め・解雇の連鎖を止めようと、医療従事者や官公庁・多くの金融機関が必死になって社会インフラを支えようとする風潮の中でも、一部の金融機関では、相変わらず「貸し剥がし」に近い事が堂々と行われているという実態を、です。

結局B行担当者は、追加資料として資金が必要になる理由(5/20に仕入資金が必要となる発注書や請求書)資金繰表(日繰表まで求めて来ました)の提出を条件に、渋々稟議する事を約束してくださいましたが、元々担当者・営業店に「回収後」当面の新規融資取扱をNGと指示した本部審査部門の決裁者の同意が無いと、折り返しとは言え「融資」は叶いません。

A社は金融団が「金融協定」を結んでの資金繰り支援を仰がざるを得ないほど困窮している会社ですから、融資がもたついて手元資金の回復が遅れると、「商機逸失」が現実のモノとなってしまいます。

せっかく金融協定で当面の資金繰り(事業継続)を維持しつつ、業績回復のための具体的な改善行動を促す「時間的猶予」を与えて貰ったのに、メイン行がそのスキームを自ら壊し兼ねない、そんなトンチンカンな行動を取っているとしか、私には思えません。

だから私も社長に同行してギャーギャー言って来たんですが(笑)

 

昨日もブログの最後に書きましたが、こんな事が中小企業経営者と金融機関の間では「日常茶飯事」のように起こっているのです。

そして難敵・金融機関側は各種の約定書(契約書)によって、事業者(借り手)側を”がんじがらめ”に縛り付けたうえで交渉の席に着いている訳です。

ボクシングで言うと「世界チャンピオンと素人が同じグローブでリングに立っているようなモノ」なので、そもそも事業主側はケンカをしても金融機関には勝てませんし、圧倒的に不利な立場にはあると思います。

 

さすがに情報化時代ですから、事業主も「銀行に全てお任せ」で事業経営が万事上手く行くとは思っていないでしょうけど、経営者たるもの、やはりアンテナを張って「想像力を働かせる」訓練を普段から行っているべきだなぁと、最近様々な交渉の場に陪席していて思うのです。

 

 



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