一流経済誌で知られるダイヤモンド社が「旬のネタ」をネット配信をするダイヤモンド・オンライン(DAIAMOND online)6/28付で、標記記事を掲載しています。
ダイヤモンド社が言うところの「ゾンビ銀行」に対して、いよいよ金融庁が「最後通牒」を突きつけ、市場からの退場を促す動きが活発化しそうだ…と言うものです。
全国にある銀行111行のうち、大半は一定の営業地盤のうえに成り立っている地方銀行であり、その数は104行(地銀65行、第二地銀39行)にも及びます。
全国にある111銀行の成り立ちには、無論それぞれ由来がある(例えば官立銀行の流れとか、初めからの商業銀行だとか、長信銀等政策目的の銀行だとか…)のですが、実に国内銀行の93%超が「地方銀行」であり、如何にも数が多いのです。
しかも近年の少子高齢化の加速度的な進捗により、地方人口は急速に減少、地銀の地盤を支える人口や産業といった「営業基盤」が縮小しつつあり、自身の収益力も大きく減退している最中です。
「如何にも銀行数が多い、多すぎる。業界や市場に任せていても、オーバーバンク状態がいつまでたっても是正されない。このままでは無秩序な退場等、金融行政を大きく揺らがす事案に発展するリスクが顕在化するのではないか」等金融庁の担当者が考えても、何も不思議ではありません。
実際、地銀の決算は苦戦しています。
経営統合により規模を拡大し、店舗の統廃合や人員整理(新規採用抑制による自然減)を進めた地銀や首都圏等比較的市場に恵まれた銀行は別ですが、営業地盤を動かす事のできない多くの地方銀行は、人口減・産業衰退による運用先の減少やマイナス金利政策による金融緩和によって、貸出金の「利ザヤ」縮小に苦しんでいるのです。
金融庁は銀行の稼ぐ力である収益力やその構成比、営業地域の人口増減予想も織り込んだ「将来収益」シュミレーションを持って、経営陣に「決断」を促す覚悟のようです。
金融業界、特に地銀業界からの人材流出が続いていると聞きます。
金融業務を円滑にこなすには、時間が掛かります。
机上の知識の他に、実践で磨く「経験値」がモノを言うのです。
全ての地銀がこの国から無くなる訳では無いし、それなりに「やりがい」もある仕事だと思うのですが、若者には斜陽産業と映るらしく、優秀な人材確保に各行ともに苦労している話も聞きます。
金融庁から「標的」とされた銀行の関係者は、若手もベテランも「気が気ではない」と思いますが、個々人ベースで考えると、できるのは「可能か限りの金融サービスをお客様に提供して満足いただき、その対価を得る事」に尽きるのかと思います。
この業界で生きるのは、これからもっと大変なんだと思いますが、地域に地銀を必要としているお客様も多く居る、現実を知って頑張っていただたきたいと思います。
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