昨日5/15、不正融資問題で揺れ、自主再建を目指すのか、資本提携その他によって「救済型再生案件」になるのかと、業界から注目を浴びていたスルガ銀行が2019年3月期の決算を発表しました。
単年度赤字額は970億円と1,000億円に迫る規模となりましたが、それでも尚自己資本比率は8%を超え(国内で銀行業免許を維持し続けるには、最低でも4.0%以上の自己資本が必要です)、直ちに社外へ資本提携を求める水準に無い事を公表しています。
(個人ローンについて新生銀行と業務提携することも同時に発表していますが)
「かぼちゃの馬車」を始めとする不動産関連融資の同行残高は1.8兆円あり、自行調査によると、そのうち1兆700億円分が「不正融資」と認定されたようです。
同行の融資残は3兆円弱…うち1/3が不動産関連の「不正融資」だった事が明らかになりました。
現経営陣は「行き過ぎた業績至上主義」を認め内部改革を進めているようですが、都内の不動産業者数人からは「スルガの行員が結構辞めているようだ」との話も漏れ伝わって来ます。
スルガ銀行と言えば、金融業界では「高給取りの銀行」としても知られています。
行員一人当たりの平均給与は、メガバンクに匹敵またはメガを凌駕する時期もありました。
不正融資問題が明らかになって巨額の赤字を計上、経営陣が代わり、内部改革が進んでいる以上、職員の処遇(給与)に手を付けないでいられるとは思えませんから、将来を悲観して会社を去る社員が居ても不思議ではありませんが。
今回の決算では1兆円の巨額「不正融資」を公表したものの、実際に「延滞」となって「回収不能」リスクが高まっている融資債権は数十億規模であると、「貸倒引当金」は大して計上していないようです。
果たして今後はどうなるのでしょうか?
一部融資先とは「訴訟」も進んでいるでしょうし、別件で騒がれ始まったデート商法まがいの融資事案で行員の関与が指摘され、こちらも200万円余という少額ながら「訴訟」に持ち込まれています。
金額以上に「信用」「名誉」が棄損され、不動産融資を受け“あっぷあっぷしながら”返済を何とか続けているような債務者に「俺も(訴訟を)そうするか」と動機づけられてしまわないか、と関係者はヒヤヒヤものではないでしょうか…
こんなことを考えると、まだまだスルガ銀行の業績下押しは「あり得る」のかな。
一時は「モデル地銀」と称されたスルガ銀行の凋落…
しかし「不正融資1兆円」とはビックリでした!!
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