取引銀行から合わせて1億円の融資金をだまし取った疑いで、破産会社の関係者 5名が逮捕されたとの報道がありました。
この中で破綻会社の実質オーナー(記事では金融ブローカーと呼んでいますが)と言われ事件を主導したと見られているのが、インテリア会社「ラポール」の黒木正博容疑者のようです。
黒木正博容疑者と言うのは、東証マザーズ上場第1号(1999年12月)の栄誉を手にした「リキッドオーディオ・ジャパン」のオーナーとして「ベンチャーの雄」と呼ばれていた時期もあるそうです。
有名私大出身にしてイケ面且つ爽やかな弁舌、芸能関係者等との派手な交遊が、当時の黒木容疑者「像」を創り上げていたのでしょうか…
ただ、この黒木容疑者は、2010年にも上場会社「トランスデジタル」社の経営破綻に絡んだ罪で捜査当局から逮捕されているようで、なかなかの曲者のようです。
上場企業の「増資」や「株価操作」に絡んだ犯罪集団を、当時「増資マフィア」と呼んでいたとの記事も残っているように、黒木容疑者は得体の知れない「反社会的勢力」とも親密な関係があったようですしね。
そういう意味で、金融機関との融資取引で黒木容疑者がどう絡んでいたのか知ることはできませんが、銀行側の審査・調査に「抜かり」があったように思えて仕方がありません。
黒木容疑者の影を「ラポール」の仕振りの中で見出す事は難しいかなぁ…。
それでも、内には同社からの融資申込に応じなかった銀行なり、金融機関もあったと思われます。
報道では「決算書の改ざんで融資金を詐取」と迄しか伝わって来ませんが、総体で借入が20億円になろうともしている企業へ融資するのだとしたら、融資窓口としては「そろそろピークか…」と慎重に考える担当者なり審査マンも居そうなものです。
残念ながら今回もそのような判断をした(融資申込に対して謝絶し損害を受けなかった)銀行にはスポットライトが当たらず、損害を出し関係者を告発した銀行が(恥の上塗りとも言うべきでしょうか…)マスコミに注目される、そんな事象が起きそうです。
私としては“羹(あつもの)に懲りて鱠(なます)を吹く”的に、金融機関側が与信判断において更にガードを固め、善良な資金需要者である多くの中小企業者への資金供給に影響が出る事の無いよう、切にお願いしたいと思います。
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