事業再生の現場から

銀行系カードローンの残高規制

中小企業経営者にとって「資金繰り」は、常に気にかかる「問題」であり、この問題と無縁と豪語できる経営者は少数だと思います。

資金の増減は売上や利益の動向とは別の動きを間々起こすモノであり、決算書や試算表上で利益が順調に稼ぎ出しているからと言って「手元資金の残高」を気にしないで済んでいる経営者は「幸せ者」です。

こういう会社なり経営者は、長年の利益の蓄積がモノを言っているとか、資金繰りのパートナーである金融機関との付き合いが盤石であるとか、そういったケースでしょうか。

 

弊社に「資金繰りが苦しくうまく回せない」と相談を持ち込まれる場合、取引銀行から「追加融資は難しい」等と資金調達に支障を来しているケースも多く、その中には、社長ご夫妻やご子息やその家族が個人で契約しているカードローンまで「限度いっぱい」貸越して経営会社の資金繰りに充当している例も多々あります。

カードローンは、資金使途が自由&即融資が可能と利便性が高い反面一般的に金利が高く、資金繰りに苦しむ中小企業事業者にとっては「諸刃の剣」とも取れる金融商品です。(私はそう思っています)

基本的にカードローンは、個人向けの消費者ローン(住宅ローンや教育ローン等の非事業者融資)なので、経営者とは言え、経営会社の資金繰りに充当するために利用(貸越)するのは「目的外」でご法度の筈なのですが、資金繰りに困った状態であるなら「お金に色は着いていない」のだし「背に腹は代えられない」ので、そういう局面ではカードローンで調達する300万円や500万円と言ったおカネが、ホントに有難い訳です。

 

ところで、なぜ「銀行系」等と持って回ったような言い方をするかと言えば、銀行系カードローンは「貸金業法」で規制されている「総量規制」の対象とならないからです。

アコムやプロミス等と言った消費者ローン大手やオリックスやアサックス等の大手貸金業者、弊社のような零細貸金業者は、全て貸金業法で定める「総量規制」を遵守する義務を負っていますので、合計で個人年収の1/3を超える量の融資を行ってはイケない事になっていますが、銀行系はこの制限を受けません。

銀行は「銀行法」に基づいた許認可を得て営業しているので「貸金業者」では無いからだと言います。

でも利用者は銀行系だろうと、貸金業者だろうと、お金をタイムリーに制限無く貸して貰いたい訳です。

 

貸金業界が指を咥えて見ているしか無い中で、この数年、銀行系カードローンの残高は飛躍的な成長を遂げて来ました。

その先に何があるのか?

長くなりそうなので、続きは次回に譲ります…



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