事業再生の現場から

事業再生ADRを申請 曙ブレーキ工業

気づいた方もいらっしゃると思いますが、久しぶりに弊社HPに手を加え「事業再生用語集」なるページを新設しました。

HPの記事・コンテンツを考えたり事案を練ったりする事は、アイディアが乏しい私には、とても苦しく・時間が掛かる苦行です。

寧ろ“通常業務”の方が、慣れている分「楽」と言うか、取組前に重苦しい気分に浸ること無く取り組めるので、成果も出易く「やりました感」「達成感」が身近に獲得できる気がします。

とにかく大したページ(内容)ではありませんが、普段「分かり難い」とされる(業界)用語をできる範囲で「分かり易く」解説したつもりでアップしましたので、関心のある読者は是非ご一読してみてくださいm(_ _)m

 

その用語集でも取り扱えば良かったのですが…

事業再生ADRなる、なかなかビジネスマンでも耳にすることが少ないであろうキーワードが飛び込んで来ました。

東証1部上場企業で埼玉県羽生市に本拠を置く、曙ブレーキ工業が第三者機関(事業再生実務家協会・弊社も会員)に事業再生ADRを申請した事が昨日判明しました。

取引金融機関に対して「金融支援」を求める手段として、裁判上の手続き(会社更生法・民事再生法や特定調停法)を回避して「私的整理」手続きの一環である事業再生ADRを選択したのは、倒産という風評を防ぐ目的と手続きの迅速化を狙ったものと思われます。

事業再生ADRでは、債務カットや支払繰延等々「支援要請」をする相手方は金融機関に限られます。

仕入れ先や外注先への債務カットを伴わない「再生計画」で、第三者機関は介在するものの、基本的には債務者である申請人と債権者である金融機関の話し合いで、支援の可否や方法が検討されることになります。

但し曙ブレーキが作成する「再生計画」に全取引金融機関が合意することが支援の条件になります。

金融機関も厳しい時代を迎え「護送船団方式」時代のように、メイン行がOKなら「右へ倣え」という時代では無くなって来ています。

数十億円単位で融資債権を持つ上位行や年間に数千億円の利益を稼ぎ出すメガバンクと、数千万円しか貸出残の無かったり数億円の自己資本で経営する地元の信用金庫とでは、自ずと「思うところが違って」も当然だろうと思います。

 

曙ブレーキの事業再生ADR…

上場企業だけに、予想もしていませんでしたが、今後注目して見て行きたいと思います。

 

 



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