事業再生の現場から

地銀に未来は…

先日、某金融系ノンバンンクで働く知人N氏とランチMTをしていた時の事。

ノンバンクながら日本を代表するメガバンクを親会社とする金融会社だけあって、新卒時から奉職するプロパー社員も多い中、最近系列メガバンク卒業生を尻目に、グループ外と言うか「地銀」出身で30歳前の若手金融マンが、同社の人事部に列を成していると言う話を教えてくれました。

N氏曰く「メガバンク系列と言いますが、うちはノンバンクですから、言ってみれば“金融屋”です。銀行本体が手を出せないような案件を主にやるので、お上品な“元銀行マン”の手に負えるのかどうか…。実際親会社から来た連中は、殆ど実務が分からず、オフィスに“でん”と座って、銀行時代の友人知人達と情報交換のようなことをしているだけで、全然戦力じゃないですから…。なんで急に銀行マンが集まるようになったのか知れません。地銀だって、せっかく入ったんだから、そのまま居た方が全然良いと思いますよ」

「世間では“地銀のビジネスモデルには未来が無い”って事になっているから、我先に舟を逃げ出そうとしているんじゃないのかなぁ。40歳を超えちゃうとさすがに転職市場でも価値がつくのか分からないけど、30代半ばくらいまでなら、人手不足感はまたまだ解消されないし、増してや20代なら受け入れる方も“第二新卒”的な扱いができるから大歓迎なんじゃないの? そう、そんなに御社に応募する人が居るんだぁ…」と私。

 

地方人口の減少は、融資先の縮小は元より、相続人等が都市部に集中している現状から推し、将来的には、都市部への預金移動も予想されます。

地銀のコア(核)ビジネスモデルを支える、地域での運用資金調達という重要な業務が「先細りになる」リスクが今公然と語られています。

金融に情報技術を取り込んだFinTechでも、地銀業態の中での試行錯誤は続いているようですが、これと言った明るい未来を想像させるような話題にはなっていません。

スルガ銀行を始めとする「特色ある」経営を行おうとチャレンジして失敗してしまった銀行…

過疎が進む地元から都市部に進出して同業態間で熾烈な金利競争を戦う銀行群…

せっかく地元の有力就職先である地銀に籍を得ても…お尻のあたりがムズムズしだす若手行員の気持ちが分からないでもありません。

 

若者達が思うように、果たして地銀に未来はあるのでしょうか…

 

 

 



コメント

※コメントは承認制となっております。承認されるまで表示されませんのでご了承ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です