事業再生の現場から

県内企業への影響は些少で済んだようで…エム・テックの破綻

先日、宇都宮市内の有力企業・旧加治金属工業の経営破綻(民事再生法の申請)に関する投稿をしたばかりですが、帝国データバンクや東京商工リサーチ等大手信用情報会社によると、さいたま市に本社を置く㈱エム・テック(総合建設業)が約250億円の負債を抱え、東京地方裁判所に民事再生法の適用申請を求めたとの報があったようです。

あらためて帝国データさんの週報を開くと、債権者887名のうち100万円以上の債権を持つ「一般債権者」の名前が、あるわあるわ…

ざっと目を通すと、栃木県内で同社に対する債権を届け出たのは1社のようです。

ホッとしましたが、さいたま市が本社でありながら、茨城県内の債権者数が結構目立ちます。

これは同社が橋梁や特殊土木工事を中心に関東各地で受注・工事を手掛け、業績を拡大して来たことに関係しているのでしょうか。

たまたま直近の工事が茨城県内或いは茨城県近であったとか…

 

この㈱エム・テック、下請業者に対する工事代金支払が実にシブイ事で有名な会社のようでした。

と言うのも、私が日頃仲良くしていただき、時には業界情報を教えてくださる某土建屋さんが数年前にこのエム・テックの下請業者となって工事を請け負い、その債権回収にエライ苦労した話を聞いていたからです。

この時、エム・テック社の評判を聞くため、埼玉県内の地場ゼネコンで働く先輩に情報をいただいたりしてこの社長に協力したこともあるので良く憶えているのですが、当時この先輩曰く「ありゃー、エムテックの仕事受けちゃったんかい?あそこは(約束した)支払しないので有名なんで地元じゃ何処も仕事を受けないんだよ、大変だよ、全国でも何度もそういう事を繰り返して裁判沙汰になったり指名停止になったりしている会社だから、債権回収に動くなら強烈に対応しないと取れなくなっちゃうぞ」なんてアドバイスを頂戴したりしていたのです。

 

栃木県内に本社を置くこの土建屋さんも、何度も支払督促でさいたま市に通いつめ、最終的には弁護士を介入させて工事代金を回収したそうです。

この時は一部追加工事費を諦めるだけで済んだようでしたが、「二度とエム・テックとは仕事しない!!」と社長はオカンムリでしたが、発注先の信用状態を良く調べもしないで請け負ったこの会社にも問題が無い訳ではなく(((^^;(後日そーっとアドバイスしておきましたが)

 

と言う訳で、タマタマなのでしょうけど、今回の㈱エム・テックの経営破綻の影響が、県内に本社のある中小企業に殆ど及ばなかった事凄く良かったです。

エム・テックは民事再生法により「再生」を目指すのでしょうけど、体質が変わらない「債務減らし」だけの再生だとしたら、その後再び同じ事が繰り返されないか、ちょっと心配です。

 

 



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