事業再生の現場から

地銀の苦境…決算発表からも

お早うございます。

今日も宇都宮の事務所からスタートです。

まだ一昨日からの低温の影響が続いていますが、午後からは晴れ間も見られそうな予報…

週末の山行を前に、曇り空を眺めております。

 

さて、2018年3月期の上場企業の決算発表が続いています。

昨日はトヨタ自動車の決算が、東京(株式)市場の取引時間中に発表されたことが話題となっていましたが、それも2兆円を優に超える利益を稼ぎ出せるトヨタだからこその「パフォーマンス」です。

円安を背景に米国や海外で順調に売り上げを伸ばしているトヨタにしても、社長の危機感は格別で、自動運転やエンジンの電動化の次を睨んだ「モノ作り」(決して車作りに拘らない)を見据えた手を着々と打っているようです。

この辺りが、トヨタをして、業界のガリバーで居させている原動力なのでしょうか…

 

一方、銀行業界でも上場企業の決算が続きます。

多くの上場銀行は、本日10日、明日11日に決算発表予定が多いようですが、既に決算発表を終えた銀行さんの業績を見ると、対前年比「減益」で終わっているところが大半です。

おそらく今後発表される多くの銀行も、前年対比「減益」となる公算が高いモノと思います。

 

銀行の収益力が激減している背景としては、2年前日銀が打ち出した「マイナス金利」政策による貸出金利の低下が大きいのだろうと思います。

今や、中小企業向け融資金利も、正常先で健全な企業なら年0.60%~0.80%なんていう提示は当たり前のような水準です。

優良取引先を維持・逸失したくない既存取引行が、「肩代わり」をちらつかせる新興取引行の圧力に屈して、取引先の適用金利を引き下げざるを得ないケースをこの2年で何度も目にして来ました。

こうして平均金利は徐々に引き下げられ銀行の金利収入は少しずつ減少する、そんな傾向が続いているのです。

 

預金金利と貸出金利の差を「利ザヤ」と言いますが、この「利ザヤ」が縮小しているのが、銀行決算不振の最大の要因だと思いますが、中には「利ザヤ」の減少を「手数料」収入の増加や「投資」による利益でカバーしようとする銀行も増えて来ています。

銀行業務には振込手数料や様々な手数料が付き物ですが、従来無料の業務を有料化したり、手数料を引き上げたり…

これらは良いとしても、数ある銀行の中には海外金融商品への「投資」で少なくない損失を抱えた銀行もあるやに聞こえてきています。

海外収益基盤を持たない「地方銀行」以下の業態は、今後もキビシイ事業環境が続きそうです。



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