事業再生の現場から

ラストチャンス 再生請負人

お早うございます。

昨日に続き、季節感を無視したような冷たい雨風で朝から“ブルブル”です(>o<)

 

さて、最近読んだ(実は昨日読み終えました)本を紹介しようかと思います。

標題ですが、講談社文庫で作者は江上剛氏です。

江上氏は元銀行員で企業小説の第一人者ですが、思う所があって私は暫く氏の作品から離れていました。

がっ、ついつい本屋さんで立ち読みしてしまい、久々に読み切ることになりました。

あらすじですが、銀行同士の合併で事業再生部門のポストを追われた主人公が銀行を退職した後、事業再生系ファンドの代表に請われて「飲食事業」を幅広く展開する企業グループの「事業再生」に奔走する姿を描いたものでした。

 

読んでいる最中、何度も感情移入してしまい、あっと言う間に読み切ってしまいました。

主人公が活躍するのは「飲食業界」な訳ですが、そこには「飲食」が好きで集まった社員や現場スタッフがいてそれぞれの事情があるし、業績悪化を心配しながら「債務超過」の疑念を持ち続け、グループを解体身売りさせて貸出金を回収しようとするメイン行の姿や、大金を払って株式の過半数を買収したものの、事業の実態把握と改善策が打ち出せず「倒産」による資産価値喪失を恐れる投資家(ファンド)等、多くの利害関係人が描かれています。

また主人公の周りには、自己の栄達や保身のために、この会社のM&Aを仕掛けようと暗躍する銀行OB達の姿も…

「ふむふむ、そうだよね、そういうこともあるよね」

債権者の思考回路を熟知し企業小説を幾本も仕上げて来た江上氏ならではの作品かと思います。

 

私達の仕事を理解していただくには良い教本なのかも、などと思いながら読み切りました。

ちょっとしたお色気もありましたしね(笑)

 

最近読んだ本の中では、お薦めできる作品だと思います。

興味のある方は、是非ご一読を!

 

 

 

 

 



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