事業再生の現場から

“干天に慈雨” 資金繰り支援融資の提案あり

お早うございます。

今年のカレンダーも残り2枚となりました。

久々にブログを更新します。

 

一昨日の事ですが、都内を地盤とする信用金庫の担当者から「融資に関する提案がある」と言うことで、取引先の経理担当に同席して「提案」を聞かせて頂きました。

この経理担当から「信金さんから融資に関して提案があって…」と前置きのうえ(その内容を)説明して頂いたのですが、その内容がイマイチ理解できなかったので、それなら(担当者から)直接聞かせてください!との私のリクエストによるものでした。

 

担当者によると、この会社の融資に関しては保全(担保力)が十分に足りているため、他行で借入している分を肩代わりしたうえで、9月末に分割返済扱いで融資した運転資金も含め、全額を約定弁済の無い当座貸越・手形貸付にまとめ、毎月の元金弁済をゼロにして差し上げよう、という内容でした。

その際、この信金で扱っていただいている信用保証協会付貸出もプロパー資金で借換させてくれるということでもあり、取引先にとっては既に支払済の保証料の還付が受けられるばかりか、毎月苦しんでいた約定弁済(現状で150万円/月)から解放される内容になっています。

但し取扱い金利は、従来の金利水準の倍近くなって年4.00%を想定しているようです。

 

当社にとっては、毎月150万円(年間1,800万円)に及ぶ元金償還負担から解放される代わりに、金利負担が従来の倍(200万円→400万円)になろうかという提案ですが、「資金繰り」的には随分助かる、自社にメリットのある提案です。

経営改善計画の提出が取扱条件ですが、(この信金さんには提出していませんが)改善計画は既に作成済どころか、計画に沿った「予実管理」を導入済で、経営改善動向をモニタリング中の会社であり、新たな負担はありません。

 

担当者には「他行から見たら元金弁済は無いとは言え、フル保全で取りっぱぐれの無い融資が4%で1億円もあったら、絶好の肩代わりの的になるんじゃない? 後でそういう選択肢を取引先に与えないような金利設定をもう一回考えてよ」と伝え、先方も金利の見直しを約束してくれました。

「干天に慈雨」

実質リスケに近い内容ですが、経営改善に要する時間が未だ必要な取引先にとっては、実に有り難い「提案」である事には違いないと思います。

 



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