事業再生の現場から

民法改正で保証人忌避が拡がる?

お早うございます。

朝刊を見て来ましたが、「120年振り」とされる民法改正案が国会を通過したようです。

その中で、中小企業経営者にとって、比較的影響が大きそうな記事に注目しました。

金融機関が中小企業向けに融資を行う場合、「原則」依頼している代表者の「保証」に関する記事です。

改正法では、銀行等の金融機関が事業者(法人)融資をする場合に、その法人の代表者に(連帯)保証を求める場合、融資の1か月前までに「公証人役場」で保証引受に関する「公正証書」を作成する義務が発生する事になったようです。

 

これは「実務的」には、結構シビレる改正内容かと思います。

万々が一事業会社が債務不履行に陥った場合、代表個人の「一蓮托生」的事象を極小化するための措置かと思いますし、「安易に」保証する事への警鐘なのかも知れませんが、融資実務を取り扱う側からすると、「事務の煩雑化」「時間的ロス」「資金繰り予見能力の必要性」等々、相当な負担が襲い掛かる事になりそうです。

 

そもそも「業績が安定」して「デフォルト(債務不履行)リスクの低い」取引先に対する貸出については、金融庁の「代表者保証ガイドライン」の浸透もあって、一昔前に比べれば、「保証人無」扱いで実行するケースが増加していると聞いています。

従って「(業績・財務の)良い企業」は、保証人無で融資が受けられる、これが常態化しています。

 

一方で、「そうじゃない」企業については、代表者の連帯保証付を条件とする貸出が「当たり前のように」続いています。

リスクある取引先に貸す側から見れば、保全を少しでも強めて取り組むという姿勢は、至極当然の事ではあります。

こういう企業は、金融機関から「水の手」(融資)を絶たれる事は、イコール「事業停止」に直結します。

公証人の前で「保証意思」を確認されようと、NOの選択は無い訳で必ず「YES」と答える事でしょう。

保証意思確認という意味からすると、金融機関の融資に関しては、今回の「公正証書」条件もあまり前向きな意味が無いような、そんな気がします。

だって、借りたい人は必ず「YES」と答える筈ですから…

 

事務上の手続きに時間が余計にかかる分、借り手と貸し手双方に「負担」が掛りますが、資金繰りの忙しい企業、例えば毎月のように「借換資金」が必要な企業さんや、伸び盛りで増加運転資金などが必要になる企業さんにおいては、今回の改正案、結構面倒な手間になりそうです。

改正法の施行は…

後でネットで調べてください(((^^;

 



コメント

※コメントは承認制となっております。承認されるまで表示されませんのでご了承ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です