事業再生の現場から

リスケの出口・メイン行による肩代わりの実行

お早うございます。

昨日の雪にはビックリしましたが、異常気象現象は全国規模で続いているのでしょうか?、北海道函館沖では、南洋にしか住まないとされている「マンタ(オニイトマキエイ=超大型のエイ)」が回遊中に捕獲される一方、例年なら大漁で賑わう筈のスルメイカ漁が不漁で、関連業者はどん底に喘いでいるといいます。

自然界の前で人間はあまりに「無力」ですが、万一に備える“リスク管理の巧拙”が、事業経営の成果に直結する問題になっている以上、経営者が無為無策でいる訳には行かないと思います。

良い時ほど「悪くなった時の事を想定した」手を打って置くのが、経営者の務めであると言えます。

 

私の取引先に、近頃メイン行から融資を受け、下位行からの借入金を一掃した会社があります。

メイン行を始めとした数行からの借入金は、6年前に「リスケ=返済金額条件変更」をお願いし、一時は「元金棚上げ=返済元金ゼロ・利払のみ返済」まで資金繰り支援をお願いせざるを得なかったほど追いつめられていた取引先でした。

銀行返済の猶予を得た期間は、元金棚上げ~月額30万円元金弁済~同50万円元金弁済~同150万円元金返済まで徐々に返済元金を引き上げ、その間に遅れていた滞納税金や社会保険料、仕入業者への支払正常化を優先して対応させて貰う事ができました。

 

最初にリスケを依頼してから6年という年月が過ぎましたが、その間に生産現場で発生するロス率の改善や仕入単価交渉など原価対策に取り組み、合わせて役員報酬削減や適性人員までの合理化、冗費節減や削減遊休資産の売却など、経営改善に繋がると思われる施策を地道に実行して来た企業です。

経営者は無論、現場従業員に至るまで会社の危機を認識、全社一丸となって「やるべき事に真剣に取り組んで来た」結果、業績はV字回復、あとはいつ「リスケの出口を迎えるか」が大きな課題でした。

と言うのも「リスケ先」であるだけで、金融機関からの評価が不当に低く扱われてしまうのです。

一例として挙げれば「金利」です。

この会社の財務内容から考えれば、現在は優に「正常先」の範疇にあると考えられます。がっしかし、自行または他行でリスケ支援先であると、良くて「要注意先」と格付されるのが精一杯の評価でしょう。当然「正常先」であれば適用される低金利では、資金を調達することができません。

それはおカネを貸す側からすれば当然のことではあるのですが、この数年、改善計画に沿った施策を目一杯実行し、曲がりなりにも年間2,000万円近い元金返済をできるようになった会社にとっては、とても不都合だったし不条理とも思える評価ではあったのです。

 

長くなりそうなので、詳細は次回に譲ります…

 



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