先日私が投稿した「地銀は生き残れるか?」の最終版で、金融機関が収益の拠り所とする資金「利ザヤ」についてコメントしたところ、それを読んだ或る社長さんからお褒めの言葉をいただきました。
「村上さん、あの記事良かったよ。銀行が利ザヤを稼がないと生きて行けないのは知ってたけど、実際どうやって融資金利を決めているのかとか、俺らの払っている金利がどう銀行の利益になっているのか、そこまでは知らなかったからさっ、たまにはその手の金融用語の解説みたいなことを書いて貰いたいんだよ」と。
「差し当たって“リスケ・リスケ”って騒いでるけど、いったいリスケって何なの?」
この社長さんには「リスケ」の意味や効果などを説明しましたが、確かに私達も「リスケ」などの用語自体が当たり前のように使われるようになって久しいため、「リスケというものはこういうものです」的丁寧な説明をする機会が殆んど無くなりました。
前出社長さんは「今更聞くのはなんだけど…」とお尋ねくださったので、「リスケって、こういうもんです」と説明できましたが、世の中では「今更聞くのは…」と思ってる方もいらっしゃるでしょうから、試しに少し勉強会的な話をしてみます。
リスケはリスケジュールの略語ですから、文字通り「スケジュールの変更」、金融業界では「借入金の返済条件の変更」を意味します。
例えば、ある会社が設備投資資金として、銀行から1,000万円の資金を期間5年で借りたとします。
返済条件は「元金均等返済」の60回払いで、金利は年利2.00%です。
元金均等返済ですから毎月の返済金額は、元金 167,000円に金利がプラスされます。初回は183,000円余くらいでしょうか。
順調に進んでいた返済を何らかの事情(業績不振等に起因する資金繰りのひっ迫)で「減額」して貰いたい時が、条件変更=リスケを申し出るタイミングになります。
リスケにもいろいろあります。(程度問題です)
一番資金繰りに「好影響」を及ぼすのは、金融機関で「ガンタナ」と呼ばれる「元金棚上」方式、つまり返済元金の“棚上げ”なので、リスケ期間中の支払元金はゼロ、利息だけ支払う事になります。
この「ガンタナ」は金融機関にとっては、やりたくない「リスケ」の最右翼たるものですから、中には「システムの問題で1,000円でも良いですから…」と元金返済ゼロだけは回避する金融機関もあります。
その他にも「リスケ」に絡む話を聞く機会は多いと思います。
機会があれば、そのうち続編を(笑)
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