事業再生の現場から

地銀は生き残れるか⑫

お早うございます。

9月も半ばを過ぎて、さすがに涼しくなって来ました!(^^)!

日の入り時間も早まって「秋の夕暮はつるべ落とし」を実感しています。

夕暮時間が早まると“寂寥感”と言うか、寂しい気持ちになって家路を急ぎたくなるのは…私だけでしょうかね(笑)

 

さて日銀の金融緩和策として「マイナス金利」が導入されて半年。

間もなく金融機関の2016年上期の中間決算期を迎えます。

決算月の金融機関ともなると、業績目標達成のため、目の色を変えて顧客の元に日参、なんとか取引や契約をお願いするのが常だと思っていたら、「最近はそうでも(猛烈営業は)ないですよ…」と、複数の金融関係者の声を耳にします。

「ふーんっ、そうなんだ。期末目標は悠々達成してるって事?」と聞くと、「年がら年中バタバタしているので、敢えて期末だからって飛び回る事が無くなって来たんです」とのご回答。なるほど!!そういうことね。相変わらず収益重視の営業スタンスは変わらないって事ですか。

 

金融庁から地方銀行を始めとする「地域金融機関」に対する指導指針が、新たに定められたとの報道があります。

従来の「金融検査マニュアル」に従った「資産査定」重視の監査・指導から、地域金融機関としての地域経済に対する役割・貢献度を測る方式での指導に変わって行くようです。

例えば、弊社の仕事にも絡みますが、取引先の経営指導の状況だとか、事業再生支援先の件数、営業情報提供と成功等ビジネスマッチングの取組等々を「数値化」して、同庁へ報告、地域金融機関として地域経済の活性化に如何に貢献しているかを評価対象にするというのです。

目先の収益にばかり囚われていないで、もっと地元の取引先の成長を助長するような、金融機関が取引先から求められている「本来の姿」に立ち返りなさい、ということなのかも知れませんね。

「リレーションシップバンキング」という概念が登場して15年くらいになりますか。お題目ばかりの「数字」だけではなく、実際に目に見える形での金融としての「貢献」を金融機関に求める金融庁に、オロオロする銀行関係者の姿が目に浮かびます。

 

金融庁の森信親長官は、大胆な発言で知られていますが、今回の金融庁の指針決定にも、森長官の意図が大きく組み込まれているのでしょう。背景には政治的な後押しもあるのかも知れません。

東京への人口集中で、地方経済や住む人たちの社会の綻びが目立つようになって来ました。「地方創生」を掲げる現政権としても、地方経済の活性化は大きな政策課題ですし、予算を地元に持ち帰りたい議員さんなどエライさんにとっても、目に見えた業績を創る絶好の機会に映るんだと思います。

 

期待と圧力、さらに事業環境の悪化に晒されている「地方銀行」

果たして「地銀は生き残れるのか?」今後も注目して行きたいと思います。

 

 

 

 



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