政府から平成26年2月に「経営者保証に関するガイドライン」が公表され、その運用が始まって凡そ2.5年が過ぎました。
先週、中小企業再生支援協議会の担当者とミーティングを終え雑談に入ると「さきほど社長が会社の資金繰りのために、自宅を友人に売却して、その売却代金の全額を会社の運転資金につぎ込む趣旨の発言をされましたが、我々はそこまでしないでも…“経営者保証に関するガイドライン”に沿って考えれば、私的整理(事業再生の手法)で経営者責任は問われても、自宅くらいは社長の手許に残せるんじゃないかと考えているんですよ」とのお話がありました。
この社長の経営会社の再生手法をどうするか、再生支援協議会に仕切って貰い、バンクミーティング(金融団会議)をしている中「ところで自助努力で資金繰りを維持するとして具体的に社長はどう動くんですか?」との金融機関側の質問に対して、社長さんが前項のような回答をしたのです。
私は事前に社長から相談を受けていましたので、自宅の売却も已む無しとの考えでいたので、金融団の質問に対して堂々と社長が所見を述べるのを頼もしく聞いていました。
ところが協議会の担当者は、冒頭のような考えでいたようです。
「“経営者保証に関するガイドライン”ができて2年くらいになりますが、ボチボチと適用される案件も出て来ました。再生を目指すのに債務超過や破産まで求めなくても、余力を持って再生にチャレンジする機会が増えた、と経営者には喜ばれているんですよ」と件の担当者は仰います。
ただこのガイドライン適用案件にするには、相当高いハードルを超えなければなりません。
経営者にとっては「もろ刃の刃」ともなり兼ねません…。
協議会担当のお話では「案件増えているよ!」と言うことなので、今後ジワジワと事例が世の中に紹介されて行くのでしょうけど、借金されている方が安堵を覚えるエンジェル的な救済措置にはならないでしょう。
あくまで「借りたカネは返す」これが基本ですから(笑)
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