事業再生の現場から

新電力会社の8割が撤退か?

帝国データバンク(以下TDB)発行の「帝国タイムス」No13546号によると、東日本大震災以降の再生可能エネルギーへの注目度の高まりから、新規参入が相次いでいた「新電力会社(特定規模電気事業者)」が、この4月から一般家庭などへの電力小売自由化が実現することになり、「小売電気事業者」への枠組み変更が必要になっているらしい。

4月15日には電力共同購買事業を行っていた「日本ロジテック協同組合」が70億円もの負債を抱え自己破産申請まで追い込まれたこともあって、新電力会社の経営動向に耳目が集まっている(帝国タイムスから抜粋)。

 

TDBの調査によると、資源エネルギー庁の資料から今年1月時点での「特定電気事業者」は799社あると言うが、実際に電力販売実績のある会社は118社で、総体の14.8%しか無いそうだ。

799社の中で「小売電気事業者」への変更登録できている事業者も、前述販売実績のある118社を含めても172社(全体の21.5%)しか無いことから、「取り敢えず新電力会社を興して電気事業者登録をしてみたものの」実際に事業として動き出すことのできない事業者が、80%近い水準になっていることが伺い知れます。

 

営業実態の無い新電力会社の多くは、自社やグループに発電事業者を持たない企業が大半だとも言われています。

電力会社と言っても、ビジネスとしては「発電会社」から電気を仕入れ、一定額の利益を上乗せした価格で「消費者」に電力を転売する、という言わば「左から右へ」の商売です。

規模の多寡と仕入コストの高低が、事業収益を決定づけると言って良いかと思います。

事業規模が小さく、発電設備が全く無くて全量高コスト仕入の電力では、競争に勝てないのです。

結局登録したものの、大半(約8割)の会社が電力販売業から撤退を余儀なくされてしまうのでしょう。

 

栃木県内での太陽光発電施設の工事案件も随分少なくなってきたようです。

あちこちの里山や原野が開発されましたが…

再生可能エネルギーに踊ったツケが、そろそろ出て来る頃なのかな?

注目しています。

 

 



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