事業再生の現場から

消費税率引き上げに翻弄されて…

鴻海精密工業から矢継ぎ早の注文に「翻弄」されているシャープの再生劇ではないが、昨日の東京株式市場でも、国会での安倍総理の消費税引き上げ発言に株価が大きく反応、要人発言に市場参加者が「翻弄」されたような動きを見せた。

最終的には期末配当取りで、日経平均株価は前日比100円超の値上りを記録したが、市場は消費税の引き上げに敏感に反応する事を改めて示唆した昨日の株価となった。

 

消費税が5%から8%に引き上げられて、2年が経とうとしている。

弊社が関与する取引先でも、消費税の「重税感」は怨嗟の的だ。

「腹ペコで死にそうなくらいの状態の時に目の前にご飯と味噌汁が出て来て、それを食べて命永らえ、ホッと息を着いた1年後に“あの時の味噌汁を戻してくれ!!”って言われるようなもんだ」と、消費税負担増を嘆く社長さんもいる(笑)

消費税は「預り金」なので、基本的には決算で「収支」を締め上げた後、納付する税額が決まって来るからだ。それまで「売上金」と「消費税」は、現金や振込金など「おカネ」として事業者の懐を潤し、様々な支出に充てられる。

おカネというのは実に便利なもので(俗におカネに色はないから…と言いますが)、あると便利なものだから、それを他の用途であっても使ってしまうものなのだ。

 

その結果、納税金額が確定しいざ支払という場面になって「あれっ、おカネが足りない」という場面は、中小企業なら、どこにでもありそうな話なのである。

8%の消費税率が10%に引き上げられるとどうなるのか?

仮に8%で年間500万円の消費税を負担している企業なら、売上・仕入が同じなら、25%も納税額が増加する計算になる。500万円の25%だと125万円だ。

その分、お客さんから受け取っているんだから何も変わらないじゃん、というのは税務署の言い分で、資金繰りに苦しんでいる中小企業にとっては、死活問題になり兼ねないのだ。

 

と文句を言っても、増税路線は変わらないんだろうなぁ…。

取引先には「目的預金」として定期積金を進め、何とか手を付けないよう「自衛策」を考えないといけないなぁ(((^^;)

 

 

 

 

 



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