事業再生の現場から

地銀は生き残れるか⑨

さきほど数時間前に、東芝メディカルシステムズの売却先が、キャノンに決まったと正式発表があったようです。

Yahooを何気に見ていたら、記事が掲載されていました。

買収金額は凡そ6,600億円だと言うことで、世界に伍して行ける医療用機器に強いとされる東芝メディカルの「企業価値」が高く評価された買収劇だったと思います。(入札に敗れた富士フィルムが「公開質問状」なるものを東芝に送り付け違う意味で話題にもなっているようですが…)

何にせよ、国内資本による買収が成就することで、地元(栃木県大田原市)自治体や商工関係者など安心感もひとしおではないでしょうか。

元々東芝メディカルは、東京・府中市(?)から当地に生産拠点と、その後本社を移転して来たのです。現地採用で働いている地元住民も多く、また有力納税者として地元の発展を支えてくれた優良法人でもあります。

地元の金融機関も有形無形の様々な恩恵を受けて、今日まで来ました。

親会社となったキャノンも世界的な企業ですが、邦人経営的な安心感があることも確かです。

金融機関の関係者も胸をなでおろしていることでしょう。

 

地元の関心は、台湾・鴻海電子への売却話が「進んでいるのかいないのか」、さっぱり分からなくなっているシャープの買収問題に変わって行きそうです。

シャープのAV事業を支えてきた矢板工場が、今後どうなって行くかということです。

最近は家電でも4Kテレビが売れだしているとの情報もあるようですが、シャープは矢板工場の設備更新におカネをかけるが余裕なかったでしょうから、地元の期待は別として、矢板工場を今後も活用して行くとする選択肢は最早無くなっているような気がします。

随分整理が進み縮小したでしょうけど、シャープ矢板に仕事を依存している中小企業は栃木県内にも相当数あった筈です。

取引先が傷んで行くと、銀行の収益にも痛手になるし財務も傷みます。

県内に限らず日本全国各地で同じような光景が繰り返しているのだと思います。

雇用と人口減に苦しむ地方を事業基盤とする地方銀行の苦しみは、当面続いて行くのだろうと思います。

 

 

 

 



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