事業再生の現場から

ウィルホームの倒産

先週の話で恐縮ですが、宇都宮市に本店を置き、栃木・群馬両県に跨り住宅販売を行っていたウィルホームが、今月に入って事業を停止していると、報道されました。

そうしたら今週に入って、建築関連業界の知人から「こんなのウィルホームに置いてあったよ」と、同社関係者向けへの“置手紙”を見せられました。

「事業休止報道と今後のご対応について」と題された書面で、平成27年12月18日付になっています。

残念ながら宛名に「お施主様」御中とも書いてあり、住宅の請負工事途中で仕事を投げ出した(投げ出さざるを得なかった?)ことが伺われます。その他「取引業者」御中、「関係各社」御中ともなっていますが、ビルダー(住宅販売業者)が倒産・廃業に追い込まれる度に、何の罪もない「建築主・依頼人」が巻き込まれることが多い事に胸が痛みます。

機会があったら紹介したいと思いますが、建築途中で工事を「投げられた」施主さんの苦しみは、これから住宅ローンが完済するまで続くことになります。なので「ビルダーの倒産」は、無論関連業者にとっても大きな事態ではあるのですが、広い目で見ると、業界全体に対する消費者・世間の目が厳しいものになる等、1私企業の経営破綻だけでは済まされない大きな問題であるとも言えると思います。

 

さて、その「ご対応」ですが

会社によると、同社は11月からメインバンクの主導の下、「企業存続のため再生計画を進めていた」と書いています。それが「12/17付新聞等で、今月15日で弊社事業を停止、全社員を解雇したとの報道があったが、報道内容が拡散した結果、再生計画の実行が難しくなった」と説明しています。

今後の対応は、「弁護士と協議中」だそうです。

件の知人によると、「社長は、行方を晦ましているよ」とのことです。

暮れに来ての「騒動」で、この知人も相当カリカリ来ていました。

「たぶん弁護士を立てて債権者集会的な集まりを招集するでしょうから、その時に社長は現れますよ。たぶん社長(相手)のような腕っぷしの強い業者が押し寄せるのを、弁護士を盾に乗り切るんですよ。ほとぼりを冷まさないと、この業界元気の良い人が多いですからね。でも破産はしないですよ、きっと。しないと言うよりできない…かな?」

 



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