事業再生の現場から

言うは易く行うは難し…

事業再生を目指して行くうえで、その成功に欠かせないモノ…

それは経営者の断固たる決意とステークホルダー(利害関係者)の協力だと思う。

この2つのどちらが欠けても、再生への道程は「片肺飛行」となり、事態がうまく収まらないことが多い。

何より経営者の再生・再建に向けた意欲が無ければ、そもそも事業再生どころではない。社内外の協力が得られず、3か月とて事業は保たないだろう。

 

何としても傾いた事業を立て直し、なりふり構わず経営再建を目指したいと考える経営者は、創業者であることが多い。

つまり自分で起業し育て上げた事業が、何らかの理由で停滞している現状を、外部の力を導入してでも元通りにしようというように、ぬかるみに嵌った車輪を元通りにするためには、内外の「馬力」が必要であることを理解している。

一方、ぬかるみに嵌ったこと、それ自体を認められず、どんどん深みに嵌って行く、そして泥に塗れて身動きが取れず、道路を歩いている通行人に助けを求めることもせず、最終的にうずくまって力尽きる経営者もいる。そういった行動を取る創業者は少ない、つまり2代目以降の後継者にこのタイプが多いように思う。

 

そんな話を取引先の社長さんとしていたら

「そりゃそうだろう。だけどね、言い訳にしちゃいけないんだろうが、“言うは易く行うは難し”だよ。現実問題として、起業した創業者と様々な事情があって経営を継いだ後継者では、エネルギーが違うのは当たり前だよ」

「俺も、自分の子供達には会社を継がせようとは思っていないよ。だってこれからの時代、苦労するのは眼に見えているもの。子供達は自立できるなら、仕事は何をやっても良いと言ってるんだ」

因みに、この社長さんは、お父上の跡を継いで経営者となった二代目社長。

傍から見れば「順風」と見える経営でも、常々「先行きどうなるか、わからないよ」が口癖の、割と慎重なモノの見方をされる方です。

 

言うは易く行うは難し…

中小企業の経営者には、言い訳にして貰いたくない言葉ではあるのだが。

 

 

 

 



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