事業再生の現場から

債権回収…その極意とは!?③

つい先日もお訪ねしたZ氏の事務所にて。

「不渡を出しても、イコール廃業に必ずしもならないことは、分かりました。でも生きているんだか死んでいるのか分からない会社から、売掛金を回収するのも大変なことですよね」と、仰るZ氏。

話を聞いてみると、ある取引先へ売った代金(7月に請求した売掛金)が、10月になっても、一向に入金にならないのだそうだ。当初の約束では、とうの昔に回収してしかるべき売上だという。

商品代金を請求しても入金しないのは、業界でも「支払が悪い」と評判の経っているXという会社で、Z氏も「ちょっと危ないかなぁ」と思いつつも、今までの取引を重んじブツを販売したのだそうだ。

相手が完全に倒産しているなら、トラックを横付しての「強制回収」もありなんだろうけど、Xの方が役者が上なのか、“のらりくらり”Z社の請求をかわし、挙句の果てには、飲み屋の勘定も、呼び出したZ氏に持たせようとする輩なのだそうだ。

堪忍袋が切れたZ氏は、ついに内容証明出状に打って出るそうだ。

「今までの経緯もアリ我慢していたが、もう取引解消も已む無しとの判断に傾いた。法的手続きにより売掛金回収に着手しようと思うが、気をつけることはありますか?」と、私に尋ねてくる。

「法的にやるにしても、相手が事業を継続していないと回収はできなくなってしまうから、じわじわ追い込むのが良いと思います。訴訟に勝っても、満額回収ができるかどうかは別問題ですからね」

「そうですか、じわじわ行った方が…」

 

そのZ氏ですが、帰り際「これオモシロイ本ですよ、読んでみてください」と渡された本が、「ヤクザが店にやってきた」(宮本照夫著・朝日文庫)という本でした。

Z氏も、色々と勉強しているのです(笑)



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