先週末、熊本県に本店を置く肥後銀行と、鹿児島県に本店がある鹿児島銀行の経営統合ニュースが報じられました。
東京都民銀行・八千代銀行と横浜銀行・東日本銀行に続く、地銀同士による経営統合関連のニュースです。
しかし、肥後銀行と鹿児島銀行の経営統合ニュースは、前述、都民・横浜の場合と明らかにその意味が違うと思います。
都民銀行のお相手八千代銀行は、元々信用金庫から普通銀行への転換を果たした業界異端児ですし、東日本銀行は、第二地銀と言っても元々は相互銀行、相互銀行は「無尽」を源とする金融機関なので、元々「銀行」とは趣を異にする業態です。
よって、私は都民・横浜が主導権を握った「垂直型」の経営統合だと見ていました。
肥後銀行と鹿児島銀行の場合は、共に熊本・鹿児島県のトップバンクであり、それぞれの営業地盤において、その昔から地域への貢献度合いも高く、誰もが知っている「お殿様」的存在だと思います。地元で、それぞれの頭取が頭を下げる機会なんて、年にそう何回もあるとは思えません。
従来、このレベルの地銀になると、経営統合後の主導権が楽に取れる「垂直型」(相手が自分より小規模乃至下位)か、監督官庁のお薦めで行う「救済型」の合従連衡しか、頭に無かった筈です。
それが今回の肥後・鹿児島は、明らかに経営規模や履歴等が、ほぼ等しい銀行同士の「水平型」統合話です。
それだけ将来事業に対する「危機感」が強かったのでしょう、ビックリです。
おそらく続く案件も「水面下」で進んでいるのでしょう。
人口減少で地方銀行の収益基盤は、年々劣化しているようですし、特に九州、四国、東北地方の人口減少は、目を覆わんばかりです。
次は、四国・山陰・東北…
案外関東近郊の地銀再編なども、水面下で進んでいるのかも知れません。
銀行の業界再編が進んでいると言う事なのですね。
勿論この様な業界に身を置く村上さんなら釈迦に説法でしょうが、業界再編は始まると取り残された企業は再編された企業群に比べて非常に不利になり後発で再編されれば呑み込まれるだけになるようです。
社会環境が少子高齢化は決定された事項ですから覆せません、その中での業過再編に乗り遅れれば負け組になるのでしょうね。
山田の案山子様
いつもコメントを頂戴しまして有り難うございます。
少子高齢化の影響は「地方・田舎」において、特に顕著のようです。
まだ北関東などは恵まれている地域ですが、いずれ地銀同士の合従連衡は避けられないと思います。
銀行は、人事部が絶大な権限を握っています。
銀行の資産は、看板(信用)と人材しかないからです。
経営統合話が持ち上がると、当事者間でポスト争奪戦が始まり、雲散霧消してきたのが銀行の歴史です。
取り残される恐怖で統合に走るのか、人事面での主導権確保に拘り続けるのか、結構見物だと思います。