事業再生の現場から

悪名の棺-笹川良一伝

今回は「お薦め読書」です。

一昨日、表題「悪名の棺-笹川良一伝」・工藤美代子著を読み終えました。

笹川良一というと、私達の世代では、「世界は一家、人類は皆兄弟!!」の標語が思い出されます。

モーターボート競走(競艇)で知られる、日本船舶振興会のCMだったと思います。

好々爺然とした風貌で、子供達を多数従え、大きく標語を繰り返す笹川氏に、「売名」の好きなおっさん? などと、何も知らない私はそう思っていたものでした。

右翼の大物、政界のフィクサー、怖いおじさん…

笹川良一を良く知らない私は、なんとなく、世間の世評を聞くに付け、このような漠然とした印象を持っていました。

 

私も歳をとりました、前回の甘粕正彦に次いで、次は笹川良一です。

何となーく知っているのに満足できず、「死ぬ前にホントのところ知ろうよ」と言う気になっているのです。

人間って不思議だと思います。

若い頃は、こんな感覚ありませんでしたから…。

 

笹川氏の残した文書を分析、彼の足跡を辿った、ほぼドキュメンタリーに近い内容だったと思います。

海外に住む著者の工藤氏は、笹川良一ほど国内と海外の評価が分かれる日本人はいない、いったい笹川とはどんな人物なのだろう、という動機から取材を重ね、本書を著したのだそうです。

粗食を好み、戦犯容疑者とその家族への支援、ハンセン病撲滅への貢献…

笹川良一翁は、「児孫のために美田を買わず」が口癖で、事業で稼いだ資金の大半を社会福祉事業につぎ込んでいたそうです。

彼の残した遺産は、借財の方が多かったとも書かれています。

私は笹川翁を完全に誤解していたようです。

秋の夜長に、何を読もうか、迷っている方がいらっしゃったら、是非本書をお薦めします。

 

 

 

 



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