東京商工リサーチ(TSR)調査によると、平成26年度上期北関東3県(茨城・栃木・群馬)の企業倒産件数と負債総額は、いずれも昨年実績を下回ったそうです。
確かに、弊社が取引先企業様からお預かりする最新の決算書を見ると、いずれも昨年対比で利益改善を成し遂げた数が、悪くなった数を上回っていると思います。経済環境の好転と個別企業努力の跡が、決算書には如実に顕れている、そんな気がします。
ところが、最近中小企業の経営者周りで聞く話は、決算内容とは「隔世の感」があります。
皆さん、円安進行によって、資材・材料費の値上りが続く現況を心配しているのです。
企業決算は、あくまで「過去」の結果を表しているに過ぎないので、経営者の皆さんが今、肌感覚で感じている漠然とした不安の方が、未来の姿を捉えている気がします。
昨今耳にする経営者の危機感から推し、今後も企業倒産が減って行くとは、私には思えません。
先月末には、県南に事業所を置く中堅の製造業者が、複数倒産しています。
原材料高、電気料金等の製造経費増で、製品への価格転嫁が難しい「下請」形態の中小企業には、厳しい収益環境が続く可能性があります。
明日10日も「節日」です。
手形決済日に当てる中小企業も多いことでしょう。
「倒産件数が減った」と、喜んでばかりは居られないかも…。
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