2/14に続く…
取引先の奥さま(社長夫人)の“お眼鏡に叶う”ことが、渉外担当者として銀行員の必須要件だと書きましたが、それは次のような背景があるからです。
①各銀行、各支店、各渉外担当者には年間(月次)を通して数値目標(ノルマ)が課せられること
②安定した実績を獲得し続けるには、「困った時に無理の効く」取引相手が必要であること
③そして当然の事ながら、数値目標をクリアした組織、個人は上席者から評価されること(自身の昇格・昇給に通じる)
あまり必要と思われない金融商品(例えばカードローンやクレジットカード等々)でも、銀行(上司)から「売れ」と言われ目標数値を張り付けられれば、渉外担当としては何とか目標をクリアせざるを得ません。
真面目にコツコツと数字を上げて行くのが常道ですが、それでも何回も同じようなキャンペーンを張られると目標達成が難しくなる時があります。
そんな時にこそ「最後の砦」として頼りになるのが、普段から渉外担当者を大事にしてくれる「深耕」取引先なのです。
銀行員を大切にしてくれる「気風がある」取引先では、「銀行員の泣き」によって、その手の金融商品が法人・個人にべったり貼り付いていても、更なる無理を重ねてでも、何とか協力してくれるものなのです。
私が駆け出しで渉外を担当していた頃、実績の上がらない先輩に「○○クン、目標が達成できないなら、お客の所で泣いてこい!」と叱咤激励するのが常だった上司もいましたしね(笑)。昔は、そんなんで営業店やグループ、個々人の実績を作っていました。
各行現役職員の皆様に聞くところによると、今でも根本的な考え方や遣り方は変わっていないようです。
銀行と取引先、持ちつ持たれつの関係。
こういった蜜月関係が続くと、いつの間にか取引先では「ビジネス」感覚を忘れ、心情的には銀行担当者を家族に準じる「頼りになる存在」と考え始めるようです。
結果、仲人を頼まれたり、自宅を雀荘として開放したり…。
そして月日が流れ、順調だった取引先の業績に影が差し込むようになると…。
取引銀行の態度が一変します。
これは、銀行の融資の大半(85%以上)が他人様からお預かりしている預金を原資としていることから、銀行側からすれば仕方無いことなのですが、顧客側からみれば「雨の降る日に傘を取り上げる」行為と映らざるを得ません。
「長年仲よくお付き合いして来たのに、この仕打ちは何っ!」と、怒りが収まらない事例を見ることがしばしばあります。
束の間の銀行LOVE。
銀行と仲よくすることは大切でも、銀行の言うことを全て聞いてはいけないのです。
節度を持ったお付き合いが大事なのではないでしょうか?
そうですね、銀行に対してもビジネス的に考えています。
足りない時にはお願いして、必要以上の接近はしないようにしています。
親しき仲にも礼儀あり的な考えでしょうか。
山田の案山子様
そうですね、お互い緊張感は必要ということかと思います。