事業再生の現場から

破綻懸念先になると…②

前回の続き…

結局X社の社長さんは「取り敢えず、既存の取引銀行から借換資金を引っ張る努力をする。それについてはZ行(貸出残高はY行よりやや少なめ)が、担保供出を条件に検討しても良いと言ってくれている」と、税理士先生の事務所を去って行きました。

「何か、わからない事や不安に思う事があったら、お気軽に連絡くださいm(_ _)m  メールなら多少時間のズレがあっても必ず返事します」と私。

ただ本日現在、未だX社からの連絡は無…。

 

事業再建と金融周り特に資金繰りの立て直しが、今までのやり方の延長線でそんな簡単に行くとは正直思えないのですが、(私が話を)うまく伝えられなかったのかも知れません。

「簡単にできる」と取られちゃったんだとしたら、申し訳ないことをしたかなぁ…。

もしかして「絶対ダメッ」って言ったけど、既存借入のリスケを申し込んじゃったのかなぁ…。

リスケは場合によっては“薬”になるけど、下手に扱うと“毒”にもなっちゃう。

このタイミングでリスケしたら、たぶん間違いなく「破綻懸念先」にランクダウン…。

ニューマネーの「蛇口」を自ら閉めに行くような行為になってしまいます。

 

うーんっ。

週明けに連絡してみます。

余計なおせっかいと叱られかねませんが、「袖触れ合うも多少の縁」、知らんぷりはできない!(^^)!

連絡し難いのかも知れないし。

 

リスケ先が「真水」(増加運転資金)出なくて困っている事例が増えてる一方、未だ「リスケをしようか」と悩んでいる経営者もいる、この現実。

まだまだ、私達が必要とされるフィールドがありそうです。

 

 



コメント

  1. 山田の案山子 より:

    おはようございます、毎回の更新ご苦労様です。
    なるべく毎回読むようにしています、とても参考になることが沢山あるものですから。
    中小企業の場合奥様が資金繰りの中心であったり、社員が相当の部分銀行と渡りを付けていて社長のお出ましの時は殆どが、顔出しだけだったりの場合が多々あるように思います。
    私も最初はそうでしたが、いざ全てを取り仕切るようになって初めて銀行との付き合いとは難しいと思うようになりました。
    私たち企業は商品をなるべく安心出来る取引先に売りたいのと同じ様に、銀行はお金が商品ですから安心出来る融資先と取引したい、当たり前のようで中々理解できない経営者は多いのではと思います。
    自分の販売する商品と同じように考えれば、少しは銀行の考え方も分かって来るような気がするのは私だけでしょうか?

    • 村上 浩 より:

      山田の案山子様

       お早うございます。
      いつも温かいコメント有り難うございます。
      まさにおっしゃる通りかと存じます。
      「資金繰りに窮する」と、経営者も多くは「冷静な判断」が難しくなるようです。
      不断の努力が大切なのだと思います。

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