事業再生の現場から

供給責任

先週から取引先(製造業)で、相次いで「表題」についての報告を頂戴しました。

東日本大震災で製造業の「サプライチェーン」が破綻した際、関係者の皆様は本当に大変だったようで、元通りに戻るまでには数か月単位での時間を要したようです。

製造業の場合、製品を持つ「メーカー」を頂点とした部品の供給体制がしっかりしていて、例えば「トヨタ」のカンバン方式は、組立工場に供給される時間までしっかり管理されている優れモノで、同社系列企業の競争力の源泉と言っても良いシステムだと思います。

ところが、いろいろな事情で「カンバン方式」を始めとする供給体制「サプライチェーン」に綻びが見え始めているらしいのです。

人間でも「昨日まで元気だった人が…」となると、残された周りの驚きや残務整理は大変なモノになりますが、これが「サプライチェーン」を構成する一員であったらどうでしょう。

数万アイテムの部品を使う車であっても、ネジ一本製造する中小企業がある日突然死を迎えると、どうなることか…。

おそらく必死で代替企業を捜しても、メーカーが被る不利益は、億単位の金額に上るのではないでしょうか?

問題になっているのは、最近ある業界では中小企業の「突然死」が相次いでいることらしいのです。

「サプライチェーン」に、ある日突然穴が開く…。

上部メーカーの担当者にとっては「胃に穴が開く」くらいの事象だと思います。

そうならないようにするために、日頃から「下請業者」の財務体質へのモニタリングが欠かせないと思いますが、最近殊にこのチェックが厳しく、取引先への決算書提出や場合によっては「経営改善計画書」までも提出を求められるケースもあるんだそうです。

一方では、下請先に「万々一」の事があってもカバーできるように、供給先の多元化を意図したかの如き動きも顕著になっているらしく、お話を聞いた企業さんでは「昔少しだけ取引あった先がわざわざ連絡して来たり、相見積を出せと言って来たり、少しはプラスになっているみたいです」と、実に喜ばしい報告も届き始めました。

「供給責任」がある以上、やみ雲に手を広げる訳には行かないようですが、不景気に頑張って耐えた人(会社)には「ご褒美が待っていた」と言う事なのでしょうか!(^^)!



コメント

※コメントは承認制となっております。承認されるまで表示されませんのでご了承ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です