先日、馴染みのK先生(税理・会計士事務所を経営)に連れられ、先生の事務所に持ち込まれた「再生案件」の相談者と会うため、都内某所を訪れました。
都内と言っても、特殊な仕事をしている企業様且つ昼間はとても多忙な業種との事で、面談は都心部から1時間近く離れた場所でそれも18:00からのお約束です。
帰り足を心配しながらのヒアリングでしたが、やはりと言いますか、まず資金繰りが逼迫している影響で社長を始めとする役員や経理部長さんが東奔西走しており、資金不足となって支払停止に追い込まれるのを極端に恐れているのでしょう、資金繰り対策として「同業他社に株式を譲渡した」とか、「(社長)ご子息の勤務先社長から資金援助を受ける約束で(再生請負)人を受け入れたがピントがずれた動きに終始している」とか、「九州の同業者から1,000万円の資金を調達できる了解を取ったが社内の実権は社長夫人にあり約束が履行されない」とか、支離滅裂な感が…。
K先生は、当社の借入債務は重いものの業種の特殊性に魅力あり「M&A」を絡めて“事業そのものを保持”して行く手法での「再生」を頭に描きつつある中での訪問です。
私は、どちらかと言うと「自力再生」をまず目指すべきとの立場で“経営権を保持しながら”事業再生を目指すべき、との立場で考えましたので若干K先生とのズレがあったことも否めないのですが、最終的には「M&A」買受人捜しも並行して行く方向性を同社に提案して来ました。
私が「自力再生」と考えたのには理由があります。
①年商に対する金融債務の割合が30%足らずであり、弊社の顧客平均値を下回る水準にある事
②既存銀行へのリスケが中途半端で、更なる返済の絞り込みが可能な事
③既取引行は新規与信に応じないまでも、政府系金融機関等を活用したニューマネー調達の可能性がある事
④競合先が進出でき難い業種・業態であり、景気浮揚の恩恵を受けると一気に業績改善が叶う可能性がある事
⑤殿様商法に近い遣り方で此処まで来ているが、営業方法変革によって同社の売上が激増する可能性もある事
こんなに可能性があるのに、当のご本人達は「経営権を売ってでも月末の決済資金を…」と血眼になっての資金繰り対策です。
ひとつひとつは正しい事をしているようでも、全体像を見回して見ると「今はそっちよりこちらの方が大事だよね、優先順位からするとそれはこちらがダメだった場合の対策でしょう?」
K先生の見立てに続いて、私が話を引き継ぎます…。
面白そうな案件ですね
是非その先も読んでみたいですね
得てして当事者は本質を見誤りがちですから
それにニッチな業種とっても興味あります
山田の案山子様
まさにニッチな業種で、日本の商習慣なのでしょうか、
それら商品がユーザーに届くためには必ず通らなければ
ならない機能を持ったうちの一社が今回の相談相手でした。
それらの商品は、希望に溢れ潤いある生活空間には欠かせない
モノですが、東京五輪開催決定を受け、今後大幅な伸びが期待
できる品物でもあるのです。