事業再生の現場から

タイミングの問題かなぁ③

一昨日、今度はサブメイン行に呼ばれ、社長さんと私は二人揃って銀行さんに出頭して来ました。

サブメイン行に行くと今度は支店長さんが待っておられ、お話する相手は殆どが支店長さん、前回説明させて頂いた次長さんはじっとメモを取り「書記役」に徹しています。後々の「折衝記録」に残すためだと思われますが、この辺りさすがに金融機関はしっかりしてます。

資金繰り協力依頼のため、私達はクライアントと共にリース会社や問屋さん等を行脚する機会も多いのですが、此処まで交渉経緯を「きっちり」記録に残そうとする組織はありません。まさに金融機関の面目躍如といった処でしょうか、穿った見方をすると、それだけ「身を守る」事に神経を使っていらっしゃると言う事になりますかね…。

サブメイン行の言う事は「メイン行の方針に乗っかるしか、やりようがない。但しメイン行が7月末までの約弁をリスケ条件にするなら、当行も7月分までの約弁が前提条件となります。とにかくメインの言う事を聞いて、その通り努力してください」と言う事に集約されます。

メイン・サブメインとも「異口同音」とはこういう事か、と思わせるほど同じ考え方から導き出される「結論」を口にされます。

手持資金が400万円しかないんだっつってるのに、7月末の延滞を解消するにはメイン行で70万円、サブメイン行で80万円の合計150万円が必要になります。

月末まで入金はありません。

25日には従業員の給与だけで200万円余が必要ですし、月末には外注費や材料費の支払も待っています。

どうやら現実的には、無理してリスケを通そうとするより「大口売掛金」回収までの間、手形貸付は期流&証書貸付は約弁不能扱いの「延滞」扱いにして貰うしかなさそうです。

一昨日のサブメイン行との交渉経緯を翌日(昨日)、メイン行担当者に伝達しました。

(8/1面談した融資担当次長か融資担当者に転送お願いした処、当社担当者に繋がれてしまいました。この担当では正直話が進まないので、ある程度自身で判断できる方をお願いしたつもりだったのですが)

私の説明が及ばなかったか、電話を切った後に2回ほど担当者から同じ照会をされ(ちゃんと説明したつもりだったのですが)、挙句の果てには、私が最初に電話転送をお願いした次長から別途「照会」の電話があったり…。何なんでしょうね、この銀行というか信金さんですけど…。

とにかく両行のご指示通りやっていては、資金繰りが回らないのが現実です。

社長とは「リスケ依頼は撤回しましょう! そして銀行弁済を止めて現実的に資金繰りを回す手立てを考えましょう!」と方針転換する事を確認、申し訳ないのですが、両行には「今後の弁済を停止させて頂きます」と申し出る事となりました。

続きは後日…

 

 



コメント

  1. 山田の案山子 より:

    確かに苦しそう

    文面からでも苦境が伺えます

    それにしてもそこまで行く前に手立ては無かったのでしょうかね

    自分に置き換えたら万事休すですね

    • 村上 浩 より:

      山田の案山子様

       いつも有り難うございます。
      皆様に披露できる範疇でのエピソードですので
      どうしてもオブラートに包んだような表現になります。
      本筋はもっと違う処にあるのですが、肝心な部分は
      申し訳ありませんが非開示とさせて頂いています。
      本件も「再生」に向けた布石であり、寧ろ想定通りの展開で
      全く悲観していないのです。 

  2. 山田の案山子 より:

    流石!!!

    半沢直樹張りですね

    中々素人の範疇ではありません

    今後の展開に注目してます

  3. 山田の案山子 より:

    ついでに

    もう一つ

    その手の経済小説掛けそうですね(笑い)

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