昨日は“1(one)みずほ”の話題を出しましたが、私は今表題の本を読んでいます。
例によって東京のクライアントを往復する時間に“ヒマ潰し”です。
北康利氏の著書で、北氏は「富士銀行」のご出身だそうですから、まさに“中興の祖”の終生を著した渾身の作品なんだと思います。
安田銀行を核とした金融グループを中核に三井・三菱・住友に匹敵する規模の企業グループを形成していた安田財閥。
その総帥にして「創設者(ファウンダー)」安田善次郎。
私も元銀行業界にいた事がありますから、安田善次郎という人が何をやった人かくらいは知ってますが、この書の中で富山の田舎から出てきて日本橋界隈の両替商に丁稚奉公し、入り婿に失敗したり相場で当てたりと紆余曲折があった中で“明治維新”に遭遇し、明治初期の太政官札両替で財を成すきっかけを作ったりと、安田善次郎の前半生の活躍が鮮やかに記されています。
著者も仰っていますが、私も安田善次郎と言うと「ケチの権化」的に思ってしまう処がありましたが、誤解している部分が大半でした。
三井、三菱のように政府高官に取り入って「政商」として財を成した訳でもなく、「国益第一」を旨として首尾一貫した言動を通し、凶漢に倒れるまで経済界のご意見番として国家の近代化に貢献したという安田善次郎翁。
「中興の祖」を著すのに多少鉛筆が舐められたとしても、国家に忠節を尽くした「国士」だったのでしょう。
安田翁に限らず「明治の日本人」は立派な人が多いよなぁ…。
余談ですが… 安田財閥というと、知る人ぞ知る本宮ひろ志氏の名作「俺の空」を思い出しますネ。
安田一平クン、カッコイイですよね♪
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