事業再生の現場から

アパート投資の盲点③

大抵の人は欲張りですから、費用負担に大差なければ“付加価値の高い”商品を選びます。

自分の住んでいるアパートの隣地にオシャレで素敵なアパートが建ったらどうでしょう?

「あれっ?家賃幾らで募集しているのかしら?」ちょっと気になる処です。

だって自分が今住んでいるアパートは築10年、近隣に最近建ち並んだアパートに比べると、さすがに外観は古ぼけた感がします。

問い合わせてみると新築アパートの家賃は今のアパート家賃と5,000円しか違いません。

しかして、移り気な私は「オシャレな外観の新築アパート」に引っ越しする事を決意しました(笑)

とまぁ、こんなことが現実に起こっても不思議ではありません。

アパート投資の最大のリスクは、建物の経過と共に「商品としての競争力」が減じて行くことです。

従って投資家にとって最大の収益可能(家賃収入が最大、修繕費用等の支出が最少)時期は物件取得時となり、時間の経過と共に収益力が減少して行くことになります。

その減価を食い止めるために投資家は取得物件へ定期的にリニューアル費用を投下し物件価値を維持して行きますが、投資物件の価値=収益力を維持するために投資が必要という事自体、時間の経過が競争力減退の裏返しであると思います。

とにかく入居者(賃借人)は、気まぐれです。

商品を選択する自由は、賃借人(店子)にあって賃貸人(大家)にはありません。

時間経過による建物減価が最大のリスクと書きましたが、土地の値下がりについても考える必要があります。

昨今の金融緩和で「デフレ脱却・不動産底入」的な見通しも出てきましたが、やはり「少子高齢化」の進む国内の住宅需要は、将来的に縮小して行かざるを得ないと思います。

たまたま銀行からアパートローンを引き出せて「分不相応」な一棟建てアパートを取得できたとして、10年後を想像してみてください。

近隣に新築アパートが次々出現、建物の外壁は色がくすみエアコンの故障も相次ぐ。

店子さんからはエアコン直してよ!の大合唱です。

値上がりすると思った地価も寧ろ下落基調で、アパートを売却しようと不動産屋に見積り依頼したら2,500万円の評価、アパートローンはまだ3,500万円も残っている、この10年間に得た家賃収入は税引後で2,000万円あったが、殆どは消費してしまった…。

今、まさに全国で悩んでいるアパート投資家の方も多いのではないでしょうか?

 

 

 



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