事業再生の現場から

金融円滑化法の後に②

さて、続いてサブメインのY行さんです。

Y行さんのご担当は融資グループ長で、クライアント社長とも付き合いが長く、取引先の内容についても非常に良く理解されている方でした。

したがって、出てくる質問も鋭い!

事業計画書(改善計画も含みますが)等を金融機関に持ち込んで、事業見通しについて説明を始める場合、説明を受ける金融機関側では、どうしても将来の予想数値に目(関心)が行ってしまう傾向にあり、「数値の根拠は何処にあるのか?」とか云う質問に終始する事が多いモノです。

ところが、Y行の担当者は違いました。

「社長ね、計画書が言ってるように、この店舗を閉めて店舗料や人員を削減するのは良いけど、店長の処遇をどうするの? 店長が独立するってなったら、店長に付いている安定顧客が店長にくっついて行くと、当社の売上は過去の実績ベースと言う訳には行かなくなりますよ。」

鋭いっ! その通り! 

実は社長も私も、支店の店舗閉鎖と人員削減を進めた場合、店長の動向が当社にとって、結構なリスクになりはしないかと懸念しているのです。

さすがに当社の事を良く理解しているグループ長、計画書の数値が云々と言うよりも、現場・現実・現物に適った考え方をしていました。

「そうなるとこの計画書で見込みでいる利益は別としても、売上は20~30%振れ幅が出てくる可能性もありますね。そうですね、分かりました。まぁ不確定要素はあるにしても、収益重視の方向性は間違っていません、取り敢えず計画書をお預かりします。店舗リストラで店長が独立して売上が大幅下方修正となったら、計画を見直ししましょう!」

仰るとおりですね。

そして、次はいよいよメイン行Xへ。



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