決断

「決断する」というのは、トレーニングの産物なのだろう。


ある小さな会社のEBOでのお話。

その会社の社長、「高齢」「病弱」「後継者なし」の状態で、

もはや経営者としての責務に耐えられない状態。

しかし、古参の地場企業として顧客が多く、不況の今でも売上が順調に伸びている。

従業員雇用のこともあり、

社長としては株式無償でも良いので「誰か」に会社を継がせたいのだが・・・


ニッチなマーケットに属する会社、

年商も少なく、M&Aの相手方が見つかるはずもない。

せめて社長業の代役を探したが、特殊作業の多い業界で該当するような人物もいない。

会社存続のために仕方なく「従業員全員」で社長の変わりをすることになった。

そのため会社運営や組織作り、対外処理等を弊社でレクチャーし、

EBO形態でスタート切ったのではあるが。


日々の会社運営には、様々な決済がある。

受注を受けるか受けないか。

その際の単価と契約総額はどうするのか?

値引きするのかしないのか。

仕入価格の決定とその交渉。

支払時期とその金額・・・・・

数え始めたらキリがないほど、日々決めなくてはならないことは多い。


実質合議制のその会社、

全員が情報を共有し、会議が活発になったのではあるが、

どうも業務の進み方が遅れているような気がする。

聞けば「難しい案件」の決済を先送りしているとのこと。

内容を聞いてみれば確かに「メリット」と「デメリット」が半々の案件。

誰も決定することができずに宙ぶらりんの状態で放置されている。


確かに全員が社長になれば、会社はオープンでクリアになる。

しかしリスクを背負う決断をするということは、

長年の「慣れ」や時の「勢い」が必要だということなのだろう。

それを昨日まで従業員であった人々に求めるのは酷ではあった。


決断するという行為に難しさはない。

しかし、そこに至るまでのトレーニングは必要なのだ。

会社経営は奥が深い!!!!




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