お国柄
先日事業再生業界の重鎮、高木新二郎先生の講演を拝聴した。
内容は「各国の再生手続き事情」。
経済活動には国境はない。
基本的に会計規則もほぼ同じである。
しかし、再生の手続きとなると各国様々。
柔軟な発想と市場主義はアメリカ。
チャプター11の後処理は速やかでスムーズ。
その上近頃はスポンサーを準備して、そのスポンサーを「当て馬」に使ったりと、
公平さを保ちながら「時間をかけない」ことに徹している。
そう言えば、GM・クライスラーなど、どんな大きな企業でもスムーズに再生している。
ちょっと硬いのが英国。
紳士の国らしく、実務家を選任してその判断に大きく委ねている。
少しだけ裁判所に仲裁してもらえば、後は自主運営。
進まなかったのが「ドイツ」。
会社がだめなら、個人に責任追及するというのでは、
苦境に陥っても経営者はなかなか手を挙げることができない。
そんな硬いこと言っているうちに、業績悪化した会社はどんどん海外流出してしまった。
(本社地を再生しやすい国であるイギリスやフランスに移転した)
慌てて大急ぎで法改正しているそうだ。
うーーん、なんだかどこかで聞いた話。
再生の仕事がやりずらいのは日本でも同じ。
債務を圧縮しようとすると、連帯保証やら個人責任で追求されてなかなか前に踏み出せない。
再生企業が海外流出するか、外資が買い取ってしまうまで、
きっと日本も法改正とかしないのでしょうね。
再生事情様々。
日本はドイツは案外文化や考え方が似ているのかも。
高木先生、貴重な講演ありがとうございました。
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