金融緩和
弊社のクライアントではないが、
近頃優良な企業に対する金融機関の融資セールスが激しいと聞く。
資金量もさることながら、金利水準も1%を割り込むほどに低く、
金融機関間の肩代わりをも勧めているとのことである。
さてこの現象、どう見るべきなのだろうか?
政策的な意図では「デフレ対策」であり、
経済学的な背景では典型的な「マネタリズム」。
平成10年頃からは基本的にこの手法に変化はないが、
効果が出ているのかどうかは疑問である。
金融に戻れば、優良企業への積極的なセールス活動だけで融資量拡大が出来るものなのだろうか?
金融業は「リスク」と「収益」のバランスを取る事業である。
もし融資量を増やしたいと思えば「リスク」を積極的に取り込み、
その反対なら「リスク」を徹底的に回避する。
金融機関の取ったリスクはマーケットに資金を流し、
その結果としてマーケットの拡大や活性化が起きてくる。
(これがあるから金融機関は公的な企業として保護されている)
優良企業への低金利攻勢は、「同じ器」の中の仕切り板を変えるだけで、
マーケットへ資金を提供することにはならない。
今は自己査定や債務者格付制度などで企業の持つリスクが定量化(見える化)され、
リスクを負って貸出をすることは金融制度上で難しくなっている。
しかしそのハードルを超え、
企業の未来や社長の人物、プロジェクトの良否を自自身の目で判断し、
融資の可否を決めることがあっても良いのではないだろうか?
それが金融や銀行、そしてバンカーとしての役割なのではないだろうか?
定量化されたデータがなかった時代、
バンカーは融資の可否を決める時、大いに悩んだはずだ。
しかし、その悩みこそが「企業を、産業を、そしてマーケットを」育てたことは歴史が証明している。
コメント
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1 ■やりがい
そこを考えていただいた金融機関のお蔭で今があります。感謝!!それだけに今のバンカーはどこにやりがいを持てばよいのか。。。と思う今日この頃です。
2 ■Re:やりがい
コメントありがとうございます。
なんか纏まりのない文章でいつもすみません。
書いているうちに中身が変わることもあって、文章下手の典型なので。
またよろしくお願いします。